放置子

【No.11】毎日マイホームに来る放置子

放置子

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翌日、
私は落ち着かない気持ちで夕方の時間を過ごしていた。

ケンくんが来るか、来ないか。

どちらの可能性もあり得る。

それによって自分がどう動くべきかを考えていた。

そして、チャイムが鳴った。




玄関を開けて驚いた。

そこにはケンくんだけではなく、
ケンくんママが並んで立っていた。

ケンくんママ
「カズに聞いたんですけど、
 昨日家にいたのにカズを入れてくれなかったそうですね。
 どうしてそんな意地悪なことをするんですか?」

突然詰め寄られ驚いたが、
こちらもこれまで思っていた疑問を相手にぶつけた。


「逆にお尋ねしたいのですが、
 『自分のお子さんが連日休みなく同じ家を訪れて長時間滞在する』
 ということに対して、どのように思われますか?」




ケンくんママ
「どうって……別に、何か不都合でも?
 むしろ、お宅の娘さんの面倒を見てあげているんじゃないの。
 感謝こそすれ文句を言われる筋合いはないわ」


「じゃあ、逆のことをされても
 ご自分は何とも思わないということですね。
 うちの娘を毎日お宅に遊びに行かせても、
 迷惑とは思わないと……そういうことですよね?」

ケンくんママ
「お宅の娘さんはうちのカズより小さいじゃないの。
 そんなの迷惑に決まってるでしょ。
 しかも私は働いていて忙しいの。
 あなたみたいに暇じゃないのよ。
 専業主婦なら、近所の子の面倒くらい見てくれてもいいじゃない。
 社会に何も貢献していないんだから」

あまりの言い草に頭に血が上りそうになったが、
ここで感情的になっても何も前に進まない。




奥歯をぐっと噛みしめ、私は淡々と言葉を放った。


「私が専業主婦であるからといって、
 連日お宅のお子さんの面倒を見ることが義務だとは思いません。
 私には私の生活があり、守らねばならない家族の生活があります。
 ケンくんはあなたのお子さんです。
 それなのにその責務を放棄しているのはあなたではないですか?」

ケンくんママ
「私は仕事が忙しいんだからしょうがないでしょう!
 カズを食べさせていくには仕事をするしかないのよ。
 私はシングルで頼れる実家もないんだから!
 一体どうしろっていうの!!」

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