放置子

【No.15】毎日マイホームに来る放置子

放置子

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【No.14】毎日マイホームに来る放置子
◎前回の話はこちら ケンくんママは驚いた様子で キョトンとした表情を浮かべたまま黙っていた。 私 「借金当時から現在に至るまでの返済記録、  相手方に要求されている利息、諸々の履歴を見せてください。  法...

結婚前、
弁護士事務所で働いていた私は、そこで知り合った旦那と結婚し、
子どもを授かったのを機に仕事から一旦離れる決断をした。

元来仕事人間だった自分は、
いざ仕事を始めたらそちらに没入してしまう。

そう思い、
子どもが小さい時期は子育てに専念しようと決めた。




でも、身に着けてきた知識は当然肌身に染み込んでいる。

そして、旦那は現役の弁護士である。


「旦那が帰ってきたら、私からも相談してみます。
 さっきお伝えした内容の資料、用意できますか?
 わかる範囲で構いません」

ケンくんママ
「はい。あの……本当に、何て言ったらいいのか」


「絶対にうまくいくと言いきれる話ではないけど、
 もしもの場合には次の二手、三手があります。
 一人で諦めないで、ちゃんと助けを求めてください」




そう言うと、
ケンくんママはこらえきれない様子で大粒の涙を流した。

「ごめんなさい」と、何度も何度も頭を下げながら。

この人も本当は、
ずっと「普通の」お母さんがしたかったんだ。

そう思うと、やるせなくて私まで涙がこぼれた。

帰宅した旦那のことの顛末を伝え、
早急に動いてもらえるよう頭を下げた。





「お願い。知ってしまって、こんなに近くにいて、
 手が届く範囲の人さえ助けられないなら、
 私は弁護士になった意味がない」

旦那
「分かった。
 事情を知ったら、腹を立ててもいられないな。
 やれることは全部やろう」

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