夫
「こんな慰謝料、俺払えないよ…。だから離婚は勘弁してくれないか?」
私はその一言で堪忍袋の尾がブチ切れた。
私
「は?ふざけたこと言ってんじゃないよ。自分がこれまで何してきたのか、いい加減自覚持ちなよ!妹を犯して、洗脳させたか知らないけどこう仕向けたのはあんたでしょ!?そんな奴がこの子たちの父親なんて恥ずかしくて嫌になるわ!!」
夫
「…あぁ静香のこと?何、あいつ言ったの?ったくせっかく繋ぎ止められてたのに…」
私
「何言ってんの?」
夫
「言っとくけど、俺があいつとヤったのは俺のせいじゃないからな。あいつが隙見せるからいけないんだよ。余程よかったのか、それから喜んで俺のおもちゃになってくれて気づいたら俺にゾッコンだったわけ!あの時ハメ撮りしたけど弱みなんて握る必要なかったな…(笑)」
こいつは頭のネジがひとつどころか何個も抜けてる…。
隣にいた義父もワナワナ震えていた。
そして、私が話すより先に義父の拳が夫の頬を殴っていた。
夫
「痛ってぇ…何すんだよ!!!」
義父
「ふざけるのも大概にしろ!!!いくら血がのつながりがないからって妹に手を出していいわけないだろうが!!!どこまで腐ってんだお前は!!」”
義父
「その態度、全く反省してないようだな!!もう金輪際うちの敷居を跨ぐことは許さない!!実の子でもお前みたいな奴はもう我が子じゃない!!二度とその面見せてくれるな!!!」
そう言いながら義父は何発も夫を殴り続けた。
私はひたすら殴り続ける義父を止めることしかできなかった。
私
「お義父さん!これ以上はやめておきましょう!!」
私の声で我に返る義父は、涙ながらに私に謝罪し、夫にも頭を下げさせた。
義父
「…いいからありさちゃんにしっかり謝罪しろ!!そしてこれまでお前が犯してきた罪を誠心誠意償うんだ!」
夫
「……。」
私
「…きっとあなたは、自分がやってきたことこれっぽっちもいけないことだなんて思わないんでしょうね。」
私
「でもこの書類に書かれてあること全てが、あなたがこれまでやってきた最悪なことでそれを罰するためのものなの。もしこれを拒否すれば、裁判で離婚や慰謝料の請求を進めることだってしていいのよ。」
その言葉を聞くと、さすがに夫も黙りこくってしまい、静かに土下座をしてきた。
夫
「…頼むから、裁判とかそういうのは…やめてくれ…。」
私
「だったら、きちんと罪を償うために慰謝料と養育費諸々お願いします。もちろん離婚もね。」
夫
「…わかった。」
私
「それと、あまり女をみくびるんじゃないよ。女を敵に回したらどうなるか、これで思い知ったでしょ。」
夫
「…はい。」
そして夫にはその場で離婚届にサインをしてもらい、その日中に役所へ出しに行った。
無事に離婚は成立。
自宅に戻ると、適当に夫の荷物をまとめて義実家へ送った。
住んでいた自宅は賃貸だったこともあり、すぐに退去手続きをとって私と娘は一時的に実家へ戻ることにした。
それから数ヶ月後…。