私は下原あやか、29歳。
夫は正樹、私と同い年だ。
夫とは元々中学の時の同級生で、数年前に共通の友人に誘われた飲み会で再会し意気投合。
互いに惹かれ合うようにして付き合うようになった。
交際から2年が経ちめでたく結婚。
その翌年である現在、第一子となる娘・美亜を出産した。
夫
「出産お疲れ様。本当にありがとう、あやか。」
私
「うん…、赤ちゃんかわいかったね。」
夫
「ほんとだね。あやかにそっくりでかわいいよ。」
私
「でも目元は正樹に似てたよ?(笑)」
夫
「そうかなぁ(笑)」
看護師
「失礼しまーす!もう消灯の時間ですのでご主人はお帰りくださいね〜!」
夫
「あ…もうこんな時間、じゃあ俺そろそろ行くわ。また明日来るから、今日はもうゆっくり休んでね。おやすみ。」
私
「ありがとう、おやすみ。」
夫が名残惜しそうに病室から出て行くのを目で追っていた。
私
(はぁ…本当に今日は疲れた…。明日はお義母さんも来るとか言ってたし、早く寝て体力温存しとかないと…。)
ここの産院は出産後は母子同室ではなく新生児室で見ていてくれる。
母体をゆっくり休ませるためらしい。
疲れた身体にはめちゃくちゃ助かる…。
翌日。
夫
「あやか、おはよう〜。起きてる?」
私
「あ、正樹!もう起きてご飯も完食したよ〜(笑)」
義母
「…あやかちゃん、出産お疲れ様。」
私
「お義母さん!来てくれたんですね。」
義母は夫の背後からちょこっと顔を出してこちらを見て挨拶をした。
義母
「出産大変だったわよね〜。今新生児室寄ってきたんだけど、すぐわかったわよ!」
私
「あ、そうですか!他の子よりひと回り小さかったんですけどね…」
すると義母はにっこりと笑って言った。
義母
「あら、そんなの気にしなくていいのよ!健康体で生まれてきてくれたんだからね!」
義母の言葉に私のモヤモヤはスッキリしていった。