夫が会社をクビになり数日。
自ら家事を行なったり、仕事探しをし始めたりと、猛省している様子が見てとれていたため、私は再構築を選ぼうとしていた。
ちょうどその時…。
私
(これからのこと話し合わないと…。裕二は寝室かな?)
夫が寝室に行ったきり戻ってこなかったため、私も寝室へ行った。
私
「なんだ…寝てんじゃん…」
夫はベッドで携帯を片手に寝落ちしていた。
携帯を閉じてあげようと目を向けた時、中身が見えてしまった。
私
(メール…?今時珍しいな、LINEじゃないんだ…って…、何これ?)
そのメールは一目見ただけで良くないものだとわかった。
私
(…嘘。これなんなの…!?)
それは、女性であろう人物とのいかがわしい内容のメールだったのだ。
私
(…落ち着け、とりあえず落ち着こう…。裕二は今寝てるから見るなら今がチャンスかも…。)
夫がしっかり寝ていることを確認し、もう一度携帯の中身を確認した。
よく見るとそのメールは今から3年前のもので、消せないように保存までかけてあった。
そんなメールが何通も何通も…。
私
(一体これ何通あるの…。しかも相手って1人じゃない…)
不特定多数の女性といやらしい内容のメール…。
さらには…。
私
「え…?」
思わず声に出てしまった。
そこにはよく知っている名前があったから…。
私
(園美…。)
園美は古い付き合いで、親友とも呼べる存在。
現在も定期的に会っていて先週もあったばかり。
その親友とのメールには他とは違う、肉体関係があったと思われる内容が何通も残っていた。
私
(園美と裕二が…?他の女よりも遥かにメールの量が違うし、内容も濃いというか…)
明らかにメールの態度が違い、園美とはカップルのようなそんな雰囲気があった。
親友と肉体関係を持ったことが、メールだけで数十回はあると確認が取れた。
私
(新しいメールは先月…。この時も関係持ってたのに、園美は平気な顔して私と会ってたの…?)
夫と親友の2人から裏切られた私は脱力し、一睡もできないまま朝を迎えた…。