数日間家庭内別居を続けていると、その場の空気に耐えきれなかったのか夫から声をかけてきた。
夫
「陽子、ちょっといいか…?」
私
「……」
夫
「園美ちゃんのこと話すから…聞いてほしい…」
私が黙って椅子に座ると夫も向かいに座り、ポツリポツリと話し始めた。
夫
「園美ちゃんとは不妊治療を始めた頃から会うようになった…。街でばったり会ってその流れでお茶して、それがきっかけで何度か予定合わせて会うようになって…」
定期的に連絡を取り合い月に3回は会うようになっていた2人。
次第にどちらからともなく肉体関係を持つようになり、それは先月まで続いていたという。
しかし徐々に親友から会うことをやめたいと言われていたらしい。
夫
「俺にとって園美ちゃんは何ていうか…、心の拠り所というか…癒しというか…。」
夫
「一緒にいて落ち着ける場所で、どうしても関係を終わらせるのは嫌だったんだ…。それで陽子が見たメールを送ってた…。」
私
「……」
夫
「それに別の女性たちは週替わりで会ってた子たちで…」
夫
「会社のサキちゃんは俺の一目惚れ…というか、見た目も中身も俺好みで、どうしても自分のものにしたくて我慢できなくてつい…。最後までやっちゃって…」
私
「…うっ…!!」
黙って話を聞いてたがあまりに気持ち悪すぎて吐き気が襲ってきた…。
夫
「だ、大丈夫か…!?」
私
「触らないで…!!!」
夫
「え…」
私
「汚い手で触らないで…。」
信じられなかった…。
こんな奴を私は愛してたの…?
一体私は夫の何を見て生きてきたんだろうか。
たくさんの考えが頭の中を巡り、そして夫に告げた。
私
「裕二…私と離婚して。」