私
「キャー!!!…翔太!?翔太大丈夫!?」
息子
「く、苦しいよママ…」
突然息子が胸を押さえて苦しがった。
私
「誰か…!!誰か救急車呼んで!!早く!!」
スタッフ
「わ、わかりました!!」
スタッフの方が急いで救急車を呼んでくれた。
今から数時間前。
私・宮本麗奈と夫の雄馬はここで式を挙げた。
そして今はその披露宴で招待客と一緒に食事を楽しんでいた。
3歳の息子は卵アレルギー。
出てきた料理は息子用に違う料理を頼んで出してもらったのだ。
なのにその料理を口にして息子は泡を吹いて倒れた…。
私
(この発作はアレルギー反応しかあり得ない…!…でもあれだけ卵だけは入れないでって頼んだのに…)
夫
「だ、大丈夫かな…」
私
「…ここまでひどい発作は初めてなの」
夫
「うん…、きっと大丈夫だよ」
夫は、息子がどうにかなってしまうのではないかと恐怖で震える私の肩をそっと支えてくれた。
救急車がすぐに到着し息子は運ばれていった。
私も一緒に乗って行くつもりでいたが、ドレスのままで貸衣装だったため代わりに私の両親が同行してくれた。
私
「私も着替えて向かいます…!!」
スタッフ
「わかりました、ではお部屋に移りましょう。」
控室に戻る時、近くにある厨房から声が聞こえた。
シェフ
「おい!!どうなってやがる!!要望で子供の料理には卵はNGってあれだけ話してたろ!?」
シェフ2
「いや…僕もそれは確認してます…!」
シェフ
「じゃあ誰が入れたんだよ!!」
私
(どういうこと…?シェフたちじゃないなら他に誰が…?)
一方会場では息子が救急車で運ばれたことで披露宴は中止となり、帰る参加者が続出していた。
『誰かが毒を盛ったんじゃないか』そんな声も上がっていたそうだ…。
急いで着替えて息子のところへ行こう、そう思っていたが、今は私の代わりに両親がそばにいてくれている。
私がすべきことは息子をこんな目に合わせた犯人を探すことじゃないか?…そう思った。
私
「絶対に見つけてやる…。私の命より大事な翔太をあんな目に合わせて…、ただじゃおかない…。」