義母
「私を疑う前にここの従業員を疑うべきでしょう!」
それは私も考えていた。
ここの式場はあまりにも不手際といえることが多過ぎたから…。
式の準備としてドレスやタキシードを選んだ時だった。
私
「あれ…これ私が頼んでたドレスと違う…」
従業員
「え…、こちらで間違いないはずですが…」
私
「いや…だって私のドレスこれですよ…!?」
そう言って衣装合わせの時に撮っていた写真を見せるとその従業員は焦ったように謝罪してドレスを探しに行った。
でも結局私のドレスは別の新婦が使用することが決まっていて、ドレスを選び直す結果になったのだ…。
それだけでは済まず、さっきもウェルカムドリンクが用意されていなかったり、招待客の席が数席抜けているなど、式場として最悪の出来事ばかり続いていた。
そんな式場の人間なら、息子の料理に何かしててもおかしくはない…。
私
(もし本当にお義母さんじゃないなら、この人たちの誰かってことも十分あり得る…。)
厨房の責任者が会場に来てくれることになり、私はその人から1日の話を聞くことにした。
厨房責任者(男性)
「本日はこのようなことになってしまい大変申し訳ございません…!なんとお詫びしたら良いのか…」
私
「…息子の料理を用意してくれた方は?」
厨房責任者
「私の部下・服部です。」
服部
「も、申し訳ございません…!」
服部さんは深々と頭を下げ謝罪をした。
私
「…あなたが息子の料理に卵を入れたんですか?」
服部
「ち、違います…!!僕は誓ってそんなことしていません!!」
私
「ならどうして…!?あなたが息子の料理を作ったんでしょ!?あなたじゃないなら一体誰なの!!」
私は服部さんに声を上げてしまった…。
すると服部さんはポケットからあるメモを取り出し見せてくれた。
服部
「僕はいつも物忘れがひどいので、大事なことはいつもメモに書いてポケットに入れてます…。」
服部
「今回はアレルギーをお持ちのお子様でしたので、念入りにメモを取って身につけていました。…それと絶対に卵が他の料理に混在しないように、卵は僕の担当する調理台には置かないようにしていました。」
厨房責任者
「本当です…!!それは私も服部本人から報告と相談を受けています!」
私
「…なら誰が…。」