部長
「君は今月付で会社をクビだ。」
夫
「え…」
義母
「は…!??」
なんと部長はいきなり夫の解雇を言い渡したのだ。
私
(どうしてここで…?)
部長
「…あぁこんなところですまないね。もちろん次の出社の時にでもよかったんだが、もう君の顔見たくないからね、今言った。」
加藤
「なんで解雇なのか、さすがのお前も自覚あるよな?」
夫
「……」
私
「何かしたんですか…?」
誰も聞かないので私が聞いてみた。
加藤
「…数年前から新入社員を中心に派遣さんやパートの方に対してパワハラとセクハラをしていました。」
私
「え…本当ですか…?」
加藤
「最初は俺もびっくりしたよ。熱心に仕事をしてると思っていたから、何かの間違いだと思ってた。」
加藤さん曰く、一応課長を務めていた夫は、
権力を利用して日頃から新入社員や派遣さんに対して無理な仕事の量を任せたり、女性社員やパートの方には人気のないところに連れて行き強姦未遂もあったとか…。
周りにバラさないように口止め料を渡したりもしていたという。
私
「嘘でしょ…。もう犯罪じゃない…!」
義母
「な、何かの間違いよ!!私の息子がそんなことするわけないじゃない…!」
加藤
「いいえ、事実です。被害数は片手じゃ数え切れないんですよ!ある子が俺に相談してくれて、それで発覚しました。証拠の音声もその子が撮っています。被害届も提出済みだそうですよ。」
これが社長の耳に入り、ここ数年で離職率が上がっていたのも腑に落ちたそうだ。
それからわかる範囲での被害にあった社員と話し、証拠も確認したという。
部長
「そういうことだ。だからもう君は会社に来ない方がいい…、というか来ないでくれ。君の荷物もこちらで片付ける。君が会社に来るよりよっぽどマシだからな。」
夫
「そ、そんな…」
部長
「じゃあ私はこれで失礼するよ。…あぁそうだった。最後に社長からの伝言だ。『君は結果こそ残してくれていたが、風紀を乱す奴なんかこの会社には必要ない、幻滅した』だとよ。…奥さん、本当に気の毒だがこんな奴だって早めにわかってよかった。気をしっかりな。」
そう言って部長は先に帰ってしまった。