私は長谷川杏。
夫・宏太と、娘・色香の3人家族だ。
この春、娘の小学校入学に合わせてこの地に引っ越してきた。
夫
「うーん!やっぱりこの家最高だね!見た目が最高〜♪」
私
「本当ね!パパのセンスがいいおかげだよ(笑)」
夫
「いや〜照れるなぁ〜(笑)」
娘
「もう、パパもママも外でイチャイチャしないの!」
夫
「あはは、ごめんごめん(笑)さ、荷解きの続きしようか〜!」
家族仲は良好で、大変な荷解きも楽しく終えれた。
数日後、娘と2人で買い物に出かけた。
娘
「今日はたくさん買い物したね!」
私
「そうね!引越しくらいしかこんな買い物できないよね(笑)…あれ?」
家が近くなってきた時、あることに気づいた。
それは我が家のガレージに車が停まっていること。
ガレージは車が2台停められる。
自宅の車と、来客用、主に私たちの両親が来た時に停められるように作ったものだった。
私
「どうして車停まってるの…?てか誰の車?」
停まっているその車は私たちの両親の車ではなく、初めて見る車だった。
2台停められるため、とりあえず空いている方に車を停め、娘を家の中に入れた。
再び自分だけガレージに出てどうしたらいいか困っていると、ある人物から声をかけられた。
??
「あ、すいませーん!」
私
「はい…?」
振り返ると声をかけてきたのは娘の新しいママ友・明那さんだった。
明那さんはものすごく気さくで、内気な私とは正反対の人。
私
「明那さん…、どうしてここに?」
明那
「あー実はこの車うちのなんだー」
私
「え…?」
明那
「ちょっと近くで用事があって、家まで戻る時間なくて困ってたら、ここが空いてたから停めさせてもらってたんだー!」
明那さんはそう明るく言った。
私
「は、はあ…」
正直、非常識な人だと思った。
明那さんのことはそれほど知ってるわけではなかったが、娘同士がよく遊ぶらしく、お友達のママという感覚。
学校で会えば話をする程度だった。
私
(どうしよう…。勝手に停められるのは困るけど、でもせっかくできた色香のお友達のママだし…。これが原因で関係悪くさせちゃうのも嫌だしな…。まぁ一回くらいならしょうがないか…。)
「そうなんですね、大丈夫ですよ。」
この返事をしたことで、後々とんでもないことになるとは、この時の私は思いもしなかった…。