◎前回の話はこちら
会長を決めるための会議が開かれた翌日。
突然自宅のベルが鳴った。
私
「はい、どちら様でしょうか?」
??
「ちょっと!うちの外壁が汚れてるんだけど!!」
私
「…はい?」
??
「いいから早く出てきてちょうだい!」
突然モニター越しにキレられ、
どうしていいかわからずドキドキしながら玄関へ向かった。
私
「あの…どうされたんですか?」
外へ出るとそこにいたのは、
金子さんと真反対のお隣さんに住む佐伯さんだった。
佐伯
「うちの外壁がね、お宅の工事の時に傷がついたの!!
あんなうるさい工事だったから傷がついたんだ!弁償しろ!!」
佐伯さんの住む家の外壁は薄汚れており、
しばらく掃除もしてないんだろうというような見た目だった。
傷があるという場所を見てみても、
それは劣化したと思われる傷であって、工事でついた傷とは到底思えなかったのだ。
私
「弁償…!?…でも工事をするときって確か、
家の周りを工事用のカバーか何か掛かっているはずだと思うんですが…。
本当に工事の時にできた傷なんですか…?」
思い切ってそう言うと、佐伯さんは顔を真っ赤にして逆ギレし始めた。
佐伯
「あんた!!!うちが嘘ついてるとでも言いたいのかい!?」
私
「い、いえ…そういうわけではないですけど…。
ただ本当にうちの工事の時の傷かどうかは、私ではわかりませんし…。
どうすることもできないと思うんですけど…」
佐伯
「もういい!あんたじゃ話にならん!!
工事をした会社の電話番号を教えなさい!!そこに弁償してもらう!」
私
「いやそういうのはちょっと。うちも困るんですよ」
何度断っても一向に引く様子がない…。
困り果てていたとき、金子さんが騒ぎを聞きつけ家から出てきてしまった。
私
(うわぁ…出てきちゃったよ面倒な人が…)