◎前回の話はこちら
誰かが玄関ドアを激しく叩き、慌ててモニターを確認した。
そこには初めてみる人が立っていた。
私
「な、何なの…!?この人だれ…?」
この時夫は仕事で不在。
娘も幼稚園に行った後のため、家には私ひとりだった。
私
(怖い…。パパもいないしどうしよう…)
すると玄関外から男の人の怒鳴り声が聞こえてきた。
男
「おーーーい、いるんやろ!?
居留守使ってないで早く出てこーい!!!」
私
「どうしよう…」
怖くて全く足が動かない…。
男は次第に怒りがヒートアップし、玄関ドアを蹴り始めた。
男
「早く出てこんかいボケ!!!」
私
「…このままにしてるとご近所さんにも迷惑かかっちゃう…」
警戒しながら玄関へ行き、チェーンをかけた状態でドアを開けた。
そこには柄シャツとグラサンがインパクトある大柄の男が立っていた。
私
「…ど、どちら様ですか…?」
男
「おう、やっと出たか。お前か、金払わんやつは」
私
「え…?」
その時ピンときた。
私
(この人…もしかして明那さんの知り合い…?)
ここ最近のトラブルは明那さんだけ。
私は冷静さを取り戻すことに集中しながら受け答えをした。
私
「あの…失礼ですが、あなたは?」
男
「俺は明那の夫や。
お前が金を払わん言うから代わりに俺が来たんじゃ!
いいからさっさと金よこせ!!」
まるでヤクザのような勢いでお金を請求してくる明那さんの夫。
でもここで折れるわけにはいかない…。
私
「申し訳ありませんが、それはできません。」
明那の夫
「何やと!?!?お前んちの駐車場で傷ついたんやぞ!!
それを知りませんで済むと思っとんのか!!!」
私
「そう言われましても…。
知らないものは知りませんし、
そういったものに対してお金を払うわけにはいきませんので…」
明那の夫
「んやとこのアマ…!!いいからそのチェーン外さんかい!!!」
明那さんの夫は玄関チェーンを掴み無理矢理引きちぎろうとしてきた。
私
「や、やめてください!!警察呼びますよ!!」