◎前回の話はこちら
義両親たちが事実確認を進めていると、
夫が突然とんでもないことを言い出した。
夫
「…お、俺は悪くない…!!」
私
「は…?」
夫
「俺は悪くないんだ!!
悪いのは全部あの女、佐久間愛が悪いんだ!!」
なんと、夫は割と早い段階で先生を売った…。
私
(まさかとは思ってたけど、
こんなに早く切り捨ててくるとは…。
とんでもない奴だな…。)
自分の夫ながらさすがに引いた…。
別に先生の肩を持って欲しいとかそんなんじゃないけど、
不倫の理由を相手のせいにするような人だったということがショックだった…。
すると、これまでずっと怒りを押し殺して黙っていた父が、
急に立ち上がったと思った瞬間、夫の頬を一発ぶん殴った。
私
「ちょ、お父さん!?!?」
父は普段から物静かで口数は少ないが根はすごく優しい人。
そんな父がまさか人を殴るなんて思いもしなかった…。
すると父は顔を真っ赤にさせながら夫に言った。
父
「お前はどこまで醜い奴なんだ!!
俺はそんなクズみたいな野郎に大切な娘を
託したつもりはこれっぽっちもないぞ!!
あの時俺と約束したことを覚えてないのか!?」
夫
「え…?や、約束…?」
父
「…覚えてないようだから教えてやるよ。
顔合わせのあの日、俺はお前に確かに言った。
『今度は君が、大事な娘を幸せにしてやってくれ』
そう言ったんだよ。そしたらお前はなんて言った?
『もちろんです!命をかけてでも、その約束を生涯守ります!』
それがなんだよ、このザマは。
相手の女性が誘惑した?だから自分は悪くない?
ふざけるのもいい加減にしろ!!
不貞を働いたのはどっちが悪いとかではない!!
どちらにも非があって責任があるんだぞ!!
これだけの証拠を目の前にしてよくそんなことが言えるな!?」
ならこの音声はなんだ!?
どう聞いてもお前から行為を求めてるだろうが!!
これのどこが自分は悪くないと言えるんだ!!
お前は人間のクズだ…!
俺からしてみたら、大事な娘を蔑ろにして、
人間の皮を被った悪魔にしか思えん!!
その手で二度と娘と孫に触れるな!!」
そう言うと今度は義両親に向かって言った。
父
「お義父さん、お義母さん。もう会うことはないでしょう。
離婚はもちろんのことですが、
孫はうちで引き取りますのでそのつもりで。」
義母
「は!?そ、そんな勝手に決められても…」
父
「はい??
…まさか、この期に及んで親権は渡さないとか
言うおつもりですか?
どこまで腐った人たちなんだか…。
もう話すことはありませんので、これで失礼します。
…母さん、先に出てるよ。」
そう言うと母を置いて
その場を1人で出て行ってしまった…。