◎前回の話はこちら
佐久間
「だから私思ったんです、
このまま自分のものにしちゃおうって。」
私
「は?」
佐久間
「だから、
司さんを自分のものにしようって思ったんです!」
私
「ご自分が何を言ってるのかわかってます…?」
佐久間
「わかってますよ(笑)どうして不倫したのかって話でしょ?
私が一目惚れして、司さんを独り占めしたかったからですよ。
ありがたいことに私は容姿に恵まれてますので、
司さんもすぐにコロッと虜になってました(笑)」
さっきまで泣いていたのに何がおかしいのか、
クスクス笑いながら話す先生。
『狂ってる』という言葉がしっくりくるくらいだった。
佐久間
「まぁあなたは私みたいに綺麗でもなければ若くないし、
スタイルも普通ってとこですよね。
世の中の男性はみんな若くて綺麗な人を選ぶんですよ(笑)
男が理性を失ってしまうような魅力がない女性は、
もう女として終わってますよ(笑)」
私はついにブチ切れた。
私
「女として終わってる…?
ふざけるのもいい加減にしなさい。」
佐久間
「は?」
私
「私が女として終わっているなら、
あんたは人として終わってるわよ。
夫に優しくされた?独り占めしたくなった?
馬鹿馬鹿しい。
仮に夫がそれに応えてくれたとして、
それが一生続くとでも思ったの?
本妻であった私が、
黙って見過ごしてくれるとでも?」
佐久間
「……。」
私
「あなたはわかってないようだから教えてあげるわ。
あなたは夫に遊ばれただけ。」
佐久間
「あ、遊ばれた!?!?そんなわけないでしょ!?
私のこと愛してるって、妻より愛してるって言ってくれたの!!」
園長
「……。」
私
「本当、気の毒な人だわ。
…離婚した時、夫が最後になんて言ったと思う?
『先生とはただの遊びで、それを続けたかったから嘘をつきまくった』
って言ってたわよ。
私にとってはそんなこと心底どうでもいいけど。
こんな裏切りをする奴の言うことなんか聞きたくないしね。」
佐久間
「そ、そんなわけない!!」
先生は現実を受け入れられない様子だった。
だけど私は構わず続けた。
私
「それに、子供たちの手本とならなきゃいけないはずの
立場の人間が不倫をしひとつの家庭を壊して…、
その汚い手で何も知らない子供たちを触ってると考えると、
気持ち悪くて仕方ありません。」
園長
「本当に、我が職員が申し訳ありませんでした…。」
園長は先生の頭を下げさせ、土下座を促した。
先生は促されるがまま、土下座をし小さな声で
「申し訳ありませんでした…」
と呟いていた。
私
(これだけのことをしておいて…
謝って済む問題じゃない…。)
私は園長と2人で話したいと伝えると、
園長はすぐに先生を教室から追い出した。