放置子

【No.最終話】毎日マイホームに来る放置子

放置子

◎前回の話はこちら

【No.17】毎日マイホームに来る放置子
◎前回の話はこちら 私 「ケンくんママ!」 私のその呼びかけに 振り向いたケンくんママは驚いた様子だった。 ケンくんママ 「...」 私 「ケンくんが朝、家に来て、『もう大丈夫です!』って...

冷静になったケンくんママに話を聞くと、
彼氏というあの男性は、
元旦那の借◯返済に困っている時に知り合った男性だった。

今の仕事を紹介してもらった関係で、
売り上げの大部分を持っていかれ、
『逃◯たらわかってるだろうな?』
と弱みを握られ家に入り浸られるようになったそうだ。

私からの提案を彼氏に話すと
『断らないとカズがどうなっても知らないぞ』
と言われ『もう大丈夫』と言ったそうだ。




その後、旦那との協力の下、
ケンくんママに提示してもらった資料から
金利や返済期間を割り出した結果、
やはり不当に高額な利子を請求されていた事実が発覚した。


「借金をゼロにして、
 払い過ぎたぶんも取り戻しましょう」

そう言った私たちに、
ケンくんママは涙を流して
「よろしくお願いします」
と頭を下げた。

滞りなく手続きは進み、
ケンくんママの借金は無事に完済。




それだけではなく、
過剰支払いぶんとして300万円を
相手方からもぎ取ることができた。

その後、
ケンくんママは母子手当てを受けながら職業訓練に通い、
資格を取って事務の仕事を始めた。

ケンくんは学校から真っすぐ自宅に帰れるようになり、
親子関係も立て直せているようだ。

今でも時々、ケンくんは家に遊びに来る。

お菓子を持って帰るのではなく、
お菓子を持って「今日、遊べる?」と
尋ねるまでに変化したケンくんを見て心からホッとしている。




せっかく建てたマイホーム。

引っ越し当初からあまりにも大変な毎日だったけど、
ケンくんママとケンくんに本当の笑顔が戻ったのならよしとする。

これからも色々あるだろうけど、
家族が安らぐ家庭をこのマイホームで
築いていけたらいいと今は思っている。

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