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【No.17】毎日マイホームに来る放置子
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私
「ケンくんママ!」
私のその呼びかけに
振り向いたケンくんママは驚いた様子だった。
ケンくんママ
「...」
私
「ケンくんが朝、家に来て、『もう大丈夫です!』って...
冷静になったケンくんママに話を聞くと、
彼氏というあの男性は、
元旦那の借◯返済に困っている時に知り合った男性だった。
今の仕事を紹介してもらった関係で、
売り上げの大部分を持っていかれ、
『逃◯たらわかってるだろうな?』
と弱みを握られ家に入り浸られるようになったそうだ。
私からの提案を彼氏に話すと
『断らないとカズがどうなっても知らないぞ』
と言われ『もう大丈夫』と言ったそうだ。
その後、旦那との協力の下、
ケンくんママに提示してもらった資料から
金利や返済期間を割り出した結果、
やはり不当に高額な利子を請求されていた事実が発覚した。
私
「借金をゼロにして、
払い過ぎたぶんも取り戻しましょう」
そう言った私たちに、
ケンくんママは涙を流して
「よろしくお願いします」
と頭を下げた。
滞りなく手続きは進み、
ケンくんママの借金は無事に完済。
それだけではなく、
過剰支払いぶんとして300万円を
相手方からもぎ取ることができた。
その後、
ケンくんママは母子手当てを受けながら職業訓練に通い、
資格を取って事務の仕事を始めた。
ケンくんは学校から真っすぐ自宅に帰れるようになり、
親子関係も立て直せているようだ。
今でも時々、ケンくんは家に遊びに来る。
お菓子を持って帰るのではなく、
お菓子を持って「今日、遊べる?」と
尋ねるまでに変化したケンくんを見て心からホッとしている。
せっかく建てたマイホーム。
引っ越し当初からあまりにも大変な毎日だったけど、
ケンくんママとケンくんに本当の笑顔が戻ったのならよしとする。
これからも色々あるだろうけど、
家族が安らぐ家庭をこのマイホームで
築いていけたらいいと今は思っている。