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【No.10】結婚した夫は私のストーカーでした…
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私
「なんで下着減ってるの…?
もしかして…」
他に無くなっているものがないか調べていると、
クローゼットの端っこに鍵がついた箱が出てきた。
私
「何この箱…初めて見た」
...
鍵のついた謎の箱。
夫は元の場所に戻して家を出て行った。
その鍵を見つけないと
中は確認できない…。
私はものすごい勢いで
部屋のありとあらゆる場所を探した。
私
「鍵…鍵…どこにあるの…!」
机の引き出しやクローゼットの隅まで探した時、
ふとあることに気づいた。
私
「そうだ、本棚…」
本棚には夫の好きな小説が
たくさん並んでいる。
私は本を読まないため、
何がどれだけここにあるのか把握していない。
掃除も、
ここは夫が自分でやるから、
と私は基本的にここは触れない。
私
「私が触れない唯一の場所…。
ここなら隠し場所として
十分にあり得るかもしれない」
私は本と本の間を見たり、
本棚自体に隠されていないか見たりした。
そして・・
私
「あった…これかも」
普段読んでいないであろう本の
裏表紙に鍵が貼り付けてあった。
サイズ感からして
この鍵で間違いなさそう。
夫から開けるなと言われていた箱を持ってきて
私はゆっくりと鍵を外した。
私
(この中に私に見られたくないものが入ってる…?
聡がストーカーじゃないって確かめるだけ…
それだけしたら元に戻そう)
夫がストーカーじゃないという僅かな希望を持ちながら、
私は箱を開けて中身を見た。
するとそこには・・
5年前のあの日、
ポストに入っていたのと同じピンク色の封筒、
目線の合わない私の写真、無くなった下着、
そして使われていない携帯が入っていた。
私
「ど、どういうこと…これ。
この写真なんてあの時の私だ…。
この封筒もあの時と同じ…。
この下着だって…!」
これで夫があの時のストーカーだと
確定した瞬間だった…。