私
「そうじゃなくて…。私はただ…」
夫
「あぁいいよもう、理紗の言いたいことはそういうことだって薄々感じてた。まぁ子連れ再婚ってこういうことだって理解できたわけだし、もうそういう態度出さなければ母さんたちだって邪険に扱ったりしないよ。ね、母さん？」
義母
「そうよ〜。まったく物分かりの悪い人なんだから。いい？自分のことばっかり考えてるとこうやって無駄にこじれたりするんだから、もう少し私たちの気持ちを考えてみるのもひとつなんじゃないの？それに、近所の人たちの目だってあるの。噂好きの人たちでもあるんだから、そこんところちゃんと弁えた言動をしてちょうだいね。」
私はショックでそれ以上何も言えなくなっていた。
確かに、血の繋がりでいえば義妹の娘が可愛いだろう、それは私でも理解できる。
ただ人と比べるような言い方は、娘がいる前ではしてほしくなかったっていうだけなのに…。
私
「…わかりました」
ストレスからなのか、餅つきの準備のせいなのか、お腹の張りが出てきたためこれ以上は争わないよう私が折れることにした。
その後の餅つきや夕食までなんとか過ごそうと娘と頑張った。
娘ももう言葉は発さないし、私も必要以上には話さないようにした。
それが私たちにとって一番楽だったから…。
私
（あぁ…私ったら何してんだろ…。こんな思いをするためにここに来たの…？）
義母
「さ、お夕食にしましょうね！」
そんなことを考えてるともう夕食の時間になっていた。
夕食は料理上手の義母が仕切ってあらゆる料理を出していた。
しかし…。
その食卓に並べられたものは、超レアのローストビーフ、刺身、お寿司、ユッケなど、妊婦の私には到底向かないものばかりだった。
私
（え…何これ。私が食べれそうなものほぼない…。）
夫
「うわー俺たちの好きなものばっかりだ〜！」
義妹
「さすがお母さん〜♪このユッケとか、お母さんが作るユッケが一番なんだよね〜！」
義父
「料理上手な母さんで良かったな〜(笑)」
義母
「ふふ、喜ぶ顔が見れて嬉しいわ〜♪」
義妹の娘
「ママ、あかりもこれ食べてみたい！」
義母
「あら？理紗ちゃんは食べないの？これとか栄養たっぷりなんだから食べなさい！」
そう言って義母は私の取り皿を取り、勝手にユッケと刺身を盛り付けた。
私
「すいません…、私生ものはちょっと…」
するとその場にいた全員が一瞬で真顔になりこっちを見た。
