私
(まさか…、娘に依存してるとか…?)
嫌な考えが頭をよぎった。
すぐにネットで検索してみると、そこには父親が娘を女として見てしまうことや、
単純に自分の思い通りに育ってほしいと願う毒親の記事が数個見つかった。
思い返せば、夫がこんな風になったのは娘がオシャレに気を使うようになった最近から。
それは好きな子ができたタイミングと被るのだ。
私
(まさか本当に小雪をそういう目で見てる…?いや、さすがにあの人がそんな人間とは思えない…。)
かつて自分が愛した人がそういう人かもしれないと思いたくなかった…。
きっと娘を思ってのことなのかもしれないと一瞬思ってしまった。
私
(…いやいや!娘を思ってどの親があんなことする!?それに引っ掛かるのはお義母さん…。あの人まで加担するなんて…。)
これまで孫である娘を一番に可愛がっていた義母。
そんな義母まで夫と同じタイミングであんな風になる理由がわからなかった。
結局その日はまともに眠れず朝を迎えた。
私
「小雪〜朝だよ、起きなさい。」
娘
「……」
娘は起きてるようだったが、返事がなかった。
私
「…じゃあまた後で起こしに来るから、その時は起きてね。」
娘
「…うん」
リビングへ行くと夫と義母が朝食を済ませていた。
義母
「ちょっと春香さん!?一体何時まで寝てるのよ!!朝食の準備私がしたのよ!?」
私
「…すみません」
夫
「まったく、こんな出来損ないの嫁だったとは。お前は飯を食う権利もないな。」
私
「…昨日みたいなことをしてる奴に言われたくないわ。」
夫
「は!?お前今なんて言った!?もう一回言ってみろ!」
私
「何度でも言うわよ!娘にあんな仕打ち、あんまりだわ!!小雪が何か悪いことでもした!?してないよね!?」
義母
「ちょっと!!息子に向かって何て口の利き方するの!!」
そう言って義母は私の頬を引っ叩いた。
夫はそんな様子を見てニタニタ笑っている。
私
「…っ!!ひどいですよお義母さんまで!どうしていきなりこんな風になるんですか!小雪のことあんなに可愛がってくれてたのに…」
義母
「ふっ、一体いつの話をしてるの?(笑)…さぁかずくん、もう出発しましょ。こんな女の顔見てたら今日1日上手くいかないわよ。」
夫
「そうだな(笑)」
2人は食べたものもそのままで荷物を持って出勤してしまった。