これは一体、どういうことなんだろう。
ただでさえパニック状態なのに、頭の中が余計に混乱する。
残業も休日出勤もしてない?じゃあ、あの人は毎日、一体どこで何をしているの……?
嫌な想像がぐるぐると回る。
でも、今はそれよりお腹の子のことを考えなくては。
どうにか冷静に思考を切り離し、M子に娘を頼もうとM子に電話をかけた。
私
「M子、今って忙しい?実は、お腹がすごく痛くて……旦那も今家にいなくて。娘はSちゃんと公園に行ってるから、娘のこと頼めないかな」
M子
「え、今はちょっと。ごめんね、力になってあげたいんだけど、ちょっと今出かけてて……」
この状況にも関わらず、M子の声には心配の色はなく、
むしろ迷惑そうな雰囲気さえ感じた。
親友だと思っていたのに、案外こんなものなのだろうか。
不安と孤独を募らせながら、「わかった、ごめんね」と電話を切った。
仕方なく義母に連絡をして娘を託し、
私はタクシーに飛び乗って産婦人科へと向かった。
病院で診察を受けた結果、切迫早産と診断され、入院を勧められた。
ようやく旦那と連絡が取れたのは、その日の夜18時過ぎだった。
私
「どこに行ってたの……?」
旦那
「いや、だから仕事だって」
私
「電話したわよ。あなたの職場に。でも、あなたは休日出勤なんてしてないって言われたわ。残業もしないで毎日定時で帰ってるって。一体どういうことなの?」