旦那が不◯をしていた。挙げ句、子どもまで作っていたなんて。
想像もしていなかった事実に、頭がついていかない。
家の中の様子がおかしいことに、娘も気づいている。
心配をかけたくないと思うけれど、どうにもうまく笑えない。
離婚したい。
でも、このお腹でどうやって娘とこの子を食べさせていけばいいんだろう。
実家を頼るにも、両親は年を取りすぎている。
悲しみに耐えきれず、私はM子の家にアポなしで押しかけた。
私
「M子……ちょっと聞いてほしいことがあって。ごめんね、急に」
そう言って玄関に視線を落とした瞬間、私の全身が固まった。
私
「え、この靴、なんで?え……なんで?」
M子
「あーあ、バレちゃったかぁ。そっちが傷つくと思って、せっかくこれまでうまく騙してきてたのに」
私
「何?どういうこと?え?何これ」
玄関にあったのは、旦那の靴だった。
誕生日の日に特注で作ってもらったオーダーメイド製だから、見間違うはずがない。
M子
「ごめんね、今まで騙してて。でもそっちだって、ずっと彼を独り占めしてきたんだから、これでおあいこだよね」
意地悪く笑うM子の顔を、私は黙って見つめた。言葉が、一切出てこなかった。