義母の介護を当たり前かのように押し付けてきた義姉。
私
「いや…あの…、私も仕事がありますしなかなかそうまとまった時間は取れなくて…」
驚きながら遠回しに断ったがそれでも義姉は聞き入れず話を進める。
義姉
「なーに言ってんのよこんな時に!長男の嫁の立場ってこういうところで発揮しないでどうすんのよ(笑)」
私
「そんな…」
助け舟を出してもらおうと夫の方をチラッと見たが、夫はそこらへんにあった新聞を読んでいて、会話を聞いてないのか何も言わなかった。
口出ししない夫を横目に、私は精一杯義姉に対抗した。
私
「申し訳ないですが、仮に私が介護をするにしても仕事がありますからそんなすぐに動くことはできません。すみません、これから外せない仕事があるので私はこれで失礼します…。」
そう言い残し逃げるようにその場を抜け出した。
私
(はぁ…なんとか逃げ切れたけど…。なんで私が介護なんか…!お義姉さん専業主婦でずっと家にいるくせに…。)
義姉の子が1人いるが、その子は海外へ留学しているため、特に忙しかったり介護ができない理由はないはず。
私
(きっと面倒なことには関わりたくないんだ。自分の親のことなのに…)
仕事だと嘘をついて義実家を出てしまったことでそのまま帰宅するのもどうかと思い、カナさんに電話をかけた。
私
「・・あ、もしもし青山です。」
カナ
『あら、佳乃ちゃん!義母さんは大丈夫だったの!?』
私
「いえ、今後は歩けないだろうと言われたそうです…。すみません、今日これから働かせてもらえませんか?」
カナ
『え…それはまぁこちらとしてはありがたいことだけど…。働いちゃって大丈夫?』
私
「…はい、ちょっと色々あって…。ではこれから出勤します。」
電話を切って私はそのまま出勤した。
その日の夜。
夫もあれからそのまま会社に行ったようで、いつもの時間に帰宅してきた。
私
「おかえりなさい。あなた、ちょっと後で話がある。」
夫
「…あぁわかった。」
食事やお風呂など全て済ませ、あとは寝るだけになった頃。
夫
「それで話ってなんだ?」
私
「…今日のお義姉さんが言ってたことだけど…」