義姉
『はあ…、佳乃ちゃん本当に何もわかってないのね。』
私
「何をですか…?」
義姉
『いい?介護っていうのはね!身体的なものだけじゃなくて経済的な面も含めていうのよ!』
義姉
『それを了承して引き受けたのは佳乃ちゃんよ!?それを今更苦しいからって頼るのはおかしいんじゃない!?』
私
「そんな…!あんまりですよ!」
義姉
『ふん、知らないわよそんなの!そういう話なら今後一切しないでちょうだいね!』
義姉には勝手な発言で片付けられ電話を切られてしまった。
私
「もう無理…。」
なかなかガツンと言えない自分にも腹を立たせながら私は心身ともに限界を迎えていた。
私
「…そういえば、薫が弁護士事務所を開いたって言ってたっけ…。」
友人に弁護士がいたのを思い出した。
薫とは学生の時の同級生で、数年前に個人の事務所を開いたと連絡が来ていたのだ。
私
「確かハガキが来ていたはず…。家に戻って探そう。」
義両親には用があると伝え、一度自宅へ戻ることにした。
私
「あった!!これだ!」
自宅に戻るなり棚を物色していると一枚のハガキが出てきた。
田辺法律事務所・・、友人は田辺薫。
学生の頃は一緒に勉強をしていたり、仲は良かった方だ。
迷う暇もなく、私はすぐに薫に電話をかけた。
薫
『・・はい、田辺法律事務所です。』
私
「あ、もしもし。私青山佳乃っていいます。田辺薫さんいらっしゃいますか…?」
薫
『田辺は私ですが…、え、もしかして佳乃ちゃん…!?』
薫は私のことをすぐに思い出してくれた。
薫
『まさか佳乃ちゃんから電話が来るなんて、もう久しぶりすぎてすごい嬉しいわ♪…でもここに電話したってことは何かあったの…?』
私
「うん…、実は薫ちゃんに相談したいことがあるの。できればすぐに。」
薫はすぐにスケジュールを調整してくれ、この後すぐに自宅まで来てくれることになった。
幸いにも、薫の事務所は自宅からそう遠くはない場所にあったため、時間に追われている私にとってとてもありがたかった。
そして、電話を切ってから30分後、薫が自宅に到着した。