薫
「懐かしい友人の相談に乗ってそれに応えただけなんだから、お金なんていらないの!」
そう言って薫は私を抱きしめてくれた。
薫
「本当によく1人でここまで頑張ったわね…。誰にも相談できなくて辛かったと思うわ。私に話してくれて本当にありがとう…!」
私
「薫ちゃん…。私の方こそ、たくさんの情報と勇気をくれてありがとう。私最後までちゃんと向き合う!」
薫
「応援してる!もしまた何かあればすぐに連絡してちょうだいね!」
そして薫は帰って行った。
もらった資料を片付け、私もすぐに義実家へ戻ることにした。
その日の夜。
私
(話をするなら早い方がいい。これは和春さんにも同席してもらおう。)
腹を決め、私は帰宅した夫に話をすることにした。
私
「ねぇあなた。ちょっといい?」
夫
「ん、なんだ?」
私
「今週の日曜日、お義姉さんと一緒に集まれないかしら?」
夫
「集まり…?どうしたんだ急に。」
私
「うん、ちょっと話しておきたいことがあって。」
夫
「話って?」
私
「その時に話すから、あけておいてくださいね」
それだけ言ってその場から退散した。
内心ドキドキしながら自室へ戻ったが、夫は特に何も言わなかった。
そして当日。
義実家へ集まり、義両親には聞こえない別室で話をすることにした。
私
「今日はお時間いただいてありがとうございます。」
義姉
「話って何?こっちも暇じゃないのよ。」
夫
「……。」
私
「大丈夫です、すぐに済みます。」
私
「単刀直入に言います。私はこれ以上介護はできません。」
義姉
「はぁ!?!?何言ってんの!?」
私
「先日和春さんにもお義姉さんにも伝えましたが、もう生活費がカツカツなんです。それに1人でこれ以上は心身ともに持ちません。」
ここまでハッキリ言った。
でも傲慢な義姉には簡単に通用しなかった。
義姉
「あんた自分の立場わかってもの言ってんの!?長男の嫁のくせにそんな言い分が許されると思うな!!介護を放棄したら訴えるよ!!」
義姉はテーブルを叩きながら怒鳴り散らした。