私
「…わかった。正樹の気持ちも辛いのはわかるし、私も正樹のお母さんに対してあんな口の聞き方して悪かったと思ってる…。私の方こそ取り乱してごめん。」
その言葉で土下座をし続けていた夫は顔をあげた。
夫
「なんであやかが謝るんだ…!!悪いのは俺と母さんだ!あやかは謝らなくていいんだよ。…これからはあやかと美亜を全力で守る。」
そう言うと夫は私を抱きしめてくれた。
私
「…その言葉、信じてもいいの?」
夫
「うん、絶対に裏切るようなことはしない。信じてください。」
私の目を真っ直ぐに見て言う夫の目は、私の知っている優しい夫の目だった。
私
「…わかった。」
返事をしたその時、部屋に看護師さんがやってきた。
看護師
「お母さん!!美亜ちゃん安定しましたよ!」
私
「ほ、本当ですか!?!?」
なんと、娘の容体が何とか安定し、峠は越えたという。
ホッとしたと同時に、娘が危険だという時にしっかり無事を祈ってやれなかったことに心底嫌気が差した…。
私は看護師さんの案内のもと、娘がいるところへ急いだ。
治療室へ案内されるとそこには落ち着いて眠っている娘の姿があった。
私
「あぁ…美亜…。先生、本当に娘はもう大丈夫なんですか…?」
医師
「はい、大丈夫です。あとは徐々に回復するのを待つだけですよ!一時は危なかったですが、この子の生命力が強かったんでしょうね。私たちもびっくりです。これから容体を見ながら入院していきますので、後ほど手続きをお済ませください。」
一晩容体が落ち着いていれば、明日には小児科病棟に移れるということだった。
私
「はぁ…よかった…!本当にありがとうございます!!」
夫も安心したようだった。