◎前回の話はこちら
金子
「この住宅の風紀を乱すなんてしてはいけないことだ。
会長としてもっと相応しい行動をするように!」
金子さんにそれとなく言い返しても聞き入れる様子はなく、
私はもう『はい』として返事ができなかった…。
私
(どうして私ばっかり…?)
自分が標的になっている理由すらわからなかった…。
佐伯さんの一件以来、それからも町内会義はことあるごとに開かれた。
その都度私は金子さんから嫌味や意地悪な言葉を投げかけられていた。
そしてある日は…
私
「今日はゴミ出し…可燃ゴミね!」
夫
「あ、僕が出すよ!」
私
「本当?助かる!」
夫
「じゃあ行ってきまーす」
いつものようにゴミ出しをしてくれる夫を見送り、私は家事をしていた。
夫がゴミ出しをして1時間後。
自宅のベルが鳴った。
私
「はーい」
金子
「私だよ!早く出てこい!!」
私
「…わかりました」
何事だろう…そう思いながら外へ顔を出すと、
金子さんがゴミ袋を持って立っていた。
私
「あの…今日はどうされたんですか?」
金子
「これ、あんたんちのゴミだろ」
私
「え…」
よく見ると金子さんの持っているゴミは、今朝夫が出してくれたゴミ袋だった。
私
「ちょっと…どうしてそれを…!?もしかして中身見たんですか!?」
金子
「だったらなによ」
私
「いや…それはちょっと良くないんじゃないんですか?」
金子
「は?ゴミの分別ができない方がいけないんだろ!」
私
「分別…?うちはちゃんと分別してます!!」
金子
「ならこのゴミはなんだ?
今日は可燃ゴミのはずだろう?なんでこんなものが入ってるんだ」
そう言って金子さんはゴミ袋から、入れた覚えのない乾電池が出てきた。
私
「違いますそれ!!うちは入れてませんそんなもの!
だっていつも電池は専用のゴミ箱に入れてて…」
金子
「だったらどうしてここにあるんだよおバカ(笑)」
金子さんに嘲笑いされて気づいた。