◎前回の話はこちら
ある朝夫が仕事のため車を使おうと駐車場へ向かうと、
何者かの手によってボロボロになった自家用車があった…。
私
「そんな…!!!車が…」
夫
「今日は営業先に行く予定だったから車使おうと思って行ったらこんな姿だったんだ…。
お義母さんたちが買ってくれたものなのに…くそ!!!」
そう、この車は私の両親が引越し祝いに購入してくれたものだった。
特別裕福じゃなかった私の家庭は、日頃から節約をするような家だった。
両親は共働きで、
幼い頃から3つ上の兄と2人で過ごしてきたようなものだった。
欲しいものがあってもなかなか買ってもらえず、
幼いながらに傷ついたりすることもあった。
そんな両親は私たち兄妹が結婚したお祝いとして、
コツコツと貯めていたお金で車をプレゼントしてくれたのだ。
両親は、
『これまで辛い思いばかりさせてきて本当にごめん』
と言っていた。
2人分をここまで貯めるのにどれだけ苦労したんだろう…
そう思うと胸が張り裂けそうになる。
私
「この車は私の宝物なのに…。絶対に犯人を捕まえてやる…!!」
私たちはすぐに防犯カメラの確認をすることにした。
夫
「ちょっと会社に休みの連絡入れてくる。
こんな状態に仕事なんかできるか…!」
私
「…わかった。先に防犯カメラ確認してるね。」
私は一足先にカメラの確認に移った。
昨日の夜、寝る前に夫と2人でカメラの確認をした後から早送りで見ていると、
怪しげな影が数名確認できた。
私
「これだ!時間は夜中の3時半?」
夫
「ごめん、お待たせ!どう?誰か映ってた?」
私
「うん、3人かな…、
夜中の3時半に車のところにいるの確認できた。」
もう一度夫と詳しく見ていると、犯人が誰なのか特定できた。
夫
「…金子さんと佐伯さん、それとこの人は斜め前の人…?」
私
「この人は会ったことないな…」
夫
「でも、車をあんな風にしたのはこの3人だ。
しっかり傷つける瞬間も映ってる。さな、警察に通報しよう。」