◎前回の話はこちら
金子
「どうしたんだい?随分騒がしいじゃないか。」
佐伯
「あ、金子さ〜ん。ちょっと聞いてくださいよ〜!実はね…」
金子
「…なんだって!?それは本当なのかい!?」
佐伯
「私が嘘つくと思いますか〜?…なのに進藤さん、自分の非を認めようとしないんですよ〜!
弁償してもらうために工事現場の会社の電話番号を教えてくれって言ってるだけなのに、
困るとかの一点張り!!埒が明かないわ!!」
私
「いやあの…!」
金子
「それは大問題だね!!!」
金子さんは私の話を遮るようにして大声で言った。
金子
「あんたの住んでる家の工事のせいで傷がついたって本人が言ってんじゃないか!
それを事実かどうかわからんと言って逃げようとするなんて、
町内会長としてあってはならんことだ!」
私
「は…?」
金子
「ほら、早く工事現場の会社と電話番号教えな!!」
私
「いや、ですから!
事実かどうかわからないものに対してそこまでの対応はできないって言ってるんです!」
金子
「聞き分けのない子だね!!!」
夫
「ど、どうしたんですか!?!?」
揉めているところに夫が帰宅した。
事情を説明すると夫は仲裁に入ってくれ、
なんとかその場を宥めようとしていた。
夫
「うちの工事で家に傷が…?そうですか…」
佐伯
「あら、旦那さんは話が早いのね!じゃあ…」
夫
「でも申し訳ありませんが、
妻の言うように今この段階でははっきりしませんので、
日を改めてお話させてください。」
もちろん佐伯さんは納得いってる様子などなかったが、
再度連絡をするという約束でその場はなんとかおさまった…。
私
「はぁ…ありがとう和也。タイミングよく帰ってきてくれて助かった…」
夫
「無茶苦茶すぎるよな、さっきのは…」
私
「うん…。だけどとりあえず工事やってくれた会社に連絡入れてみるよ…。」
すぐに工事を担当した会社に連絡を入れ、事情を説明した。