ドライブレコーダー記録

【No.13】ドライブレコーダーに残された生々しい記録

ドライブレコーダー記録

◎前回の話はこちら

【No.12】ドライブレコーダーに残された生々しい記録
◎前回の話はこちら 坂口さんが聞かせてくれた最後の証拠。 ドライブレコーダーに入っていた二人の声。 そこには二人が笑いながら私を蔑む様子や、 家族で使っている車で性◯為をするなど、 胸をえぐられるよ...


「今日は夕方に大事な会議があるからいつもより遅くなるよ!
 …って亜美?どうした?顔色悪いけど…」


「今日って何の日か覚えてる…?」


「え?今日…?えーっと今日は…あ、お肉の特売日か!!」


「…え?」


「そうそう、そうだよね!!
 じゃあ早めに終われるように頑張って終わらすよ!!
 また帰るとき連絡するね!」

そう言って夫は慌ただしく出ていった。





「違うよ司…。今日は私たちの結婚記念日だよ…。」

夫から見て私たちの結婚記念日は、
スーパーの特売日と同じ感覚なんだろう…。

そう思うと悔しくて、情けなくて、ショックで、
涙を抑えきれなかった…。

その翌月。

また個人面談が予定されていた。

あれから幼稚園の行事は夫に任せていた私。

でもこの個人面談はスルーしてはいけない、
そんな気がしていた。


(きっとここで私が出て行かなかったら、
 あの女はそれこそ図に乗ってやりたい放題するだろう。
 自分の教え子の保護者と関係を持ちながら教員…?
 絶対にこのままにしてはいけない…。)

坂口さんから証拠をもらってから、
どうやって夫と先生の関係を片付けるべきかずっと悩んでいた。




もちろん法律でも裁いてもらわないと気が済まない。

だけどそれだけじゃなく、
自分の手でカタをつけたいと思っていた。


「もしかしたらこれはチャンスかもしれない…。
 これだけは私が行くようにしなきゃ…!」

先生が夫に個人面談のことを話しているかどうかはわからない。

万が一夫から触れられたら、
その時は譲らないようにしよう、そう決めた。

それから面談当日までの約一週間、
特に夫からは面談のことは触れられないまま当日を迎えた。


「あれ?今日どっかいくの?」


「あぁ、うん。ちょっとね。今日は仕事は?」


「…今日は休み!
 久しぶりにゆっくりしようかなって(笑)」





「ふーん…そう。じゃあちょっと出てくる。」

夫は先生から面談のことを聞いてなかった…?

もしかして何か企んでる…?

でも私にバレているとかそんな話は
あの時点では話してなかったはず…。

いろいろなことを考えながら私は幼稚園へ向かった。

教室の前へ着いた時、
私はなかなかその扉を開けずにいた。

先生の顔を見たら私はどうなるだろう…?

取り乱さないように自分を抑えることはできるか…?

でも私も強くならなきゃ。

決心した私は教室の扉を開いた。

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