◎前回の話はこちら
夫
「今日は夕方に大事な会議があるからいつもより遅くなるよ!
…って亜美?どうした?顔色悪いけど…」
私
「今日って何の日か覚えてる…?」
夫
「え?今日…?えーっと今日は…あ、お肉の特売日か!!」
私
「…え?」
夫
「そうそう、そうだよね!!
じゃあ早めに終われるように頑張って終わらすよ!!
また帰るとき連絡するね!」
そう言って夫は慌ただしく出ていった。
私
「違うよ司…。今日は私たちの結婚記念日だよ…。」
夫から見て私たちの結婚記念日は、
スーパーの特売日と同じ感覚なんだろう…。
そう思うと悔しくて、情けなくて、ショックで、
涙を抑えきれなかった…。
その翌月。
また個人面談が予定されていた。
あれから幼稚園の行事は夫に任せていた私。
でもこの個人面談はスルーしてはいけない、
そんな気がしていた。
私
(きっとここで私が出て行かなかったら、
あの女はそれこそ図に乗ってやりたい放題するだろう。
自分の教え子の保護者と関係を持ちながら教員…?
絶対にこのままにしてはいけない…。)
坂口さんから証拠をもらってから、
どうやって夫と先生の関係を片付けるべきかずっと悩んでいた。
もちろん法律でも裁いてもらわないと気が済まない。
だけどそれだけじゃなく、
自分の手でカタをつけたいと思っていた。
私
「もしかしたらこれはチャンスかもしれない…。
これだけは私が行くようにしなきゃ…!」
先生が夫に個人面談のことを話しているかどうかはわからない。
万が一夫から触れられたら、
その時は譲らないようにしよう、そう決めた。
それから面談当日までの約一週間、
特に夫からは面談のことは触れられないまま当日を迎えた。
夫
「あれ?今日どっかいくの?」
私
「あぁ、うん。ちょっとね。今日は仕事は?」
夫
「…今日は休み!
久しぶりにゆっくりしようかなって(笑)」
私
「ふーん…そう。じゃあちょっと出てくる。」
夫は先生から面談のことを聞いてなかった…?
もしかして何か企んでる…?
でも私にバレているとかそんな話は
あの時点では話してなかったはず…。
いろいろなことを考えながら私は幼稚園へ向かった。
教室の前へ着いた時、
私はなかなかその扉を開けずにいた。
先生の顔を見たら私はどうなるだろう…?
取り乱さないように自分を抑えることはできるか…?
でも私も強くならなきゃ。
決心した私は教室の扉を開いた。