ドライブレコーダー記録

【No.9】ドライブレコーダーに残された生々しい記録

ドライブレコーダー記録

◎前回の話はこちら

【No.8】ドライブレコーダーに残された生々しい記録
◎前回の話はこちら 夫が謎の電話をしていた。 それも「仕事の電話だ」と嘘をついて…。 私 (あれは絶対に仕事の電話じゃなかった。  嘘をついてまで隠したいことってなに…?もしかして…) またもや嫌...

意を決して探偵事務所に頼んだ私は後日、
夫の詳細を届けるために事務所へ足を運んだ。
事務所はビルの3階にあり、
室内はとてもシンプルで綺麗な空間だった。


「こんにちは、本村です。坂口さんいらっしゃいますか?」

坂口
「本村さんですね!こんにちは、私が坂口です!
 先日はお電話ありがとうございました!」


「こちらこそありがとうございます。
 指定されたものを持ってきました。」

坂口
「ありがとうございます。ではこちらへどうぞ。」

相談室へ移動し、写真や身分がわかるものなど、
指定されたものをテーブルに並べた。




坂口
「では今後のことですが、
 基本的には対象者にバレないように尾行を続けます。
 少しでも怪しいと感じるものは証拠として写真に収めます。
 一連の流れが掴めましたら奥様にご連絡いたします。」


「わかりました、よろしくお願いします。」

素行調査は一週間でお願いした。

数日でも十分な証拠は掴めるかもしれないと言われたが、
どうしても白黒はっきりさせたかった。

だったらきちんと一週間見てもらった方が、
どんな結果であっても受け止められると考えたのだ。

それからの一週間は毎日が不安でどうにかなりそうだった。


(自分で決めたことなのに、
 やっぱり不安な気持ちだけは拭えないな…。)




その間も夫は誰かと会っているのか、
帰宅時間が遅かったり休日はどこかへ行ったりと、
相変わらずな様子だった。

娘もつまらなそうにしている。


「ねぇママ、パパは?」


「パパ?うーん、お仕事じゃないかな?」


「なんでいつもおそいのー?」


「なんでだろうね。きっと忙しんだよ!
 菜子とママのためにお仕事頑張ってるから、応援してあげようね!」




ぐずる娘をなだめる日が続いていた。

そして一週間が経つ日、坂口さんから電話があった。

坂口
「もしもし、坂口です。調査の結果が出ましたので、
 お時間あるときに事務所までお越しください。」


「ありがとうございます。では明日伺いますね。」

そして翌日、事務所へ行き調査結果を聞くことに。


「あの…それで結果は…?」

坂口さんは深いため息をつきながら言った。

坂口
「完全に真っ黒です…」

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