息子が産まれ、慣れない育児を行いながら慌ただしく日々が過ぎ去っていった。
そんなある日。
夫
「やっぱ子育てって大変だな…(笑)想像以上だった…」
私
「ほんとだね(笑)でもいつも一緒にやってくれてありがとう。」
夫
「いや、俺も親だし当然だよ(笑)そういえばさ、陽子って仕事復帰するの?」
私
「え?うん、一応そのつもりだけど…、どうして?」
夫
「…実はここ数日思ってたんだけどさ…」
夫
「仕事しながら子供見るってかなり大変だと思うし、家計も俺1人の稼ぎで生活できる範囲だから、無理して陽子まで働かなくてもいいんじゃないかって思って…」
私
「え、そんなこと考えてくれてたの?」
夫
「あぁごめん!あくまで俺の意見ね!」
正直すごく嬉しかった。
裕二は周りの人はどうでもいいタイプというか、あまり興味がないというか。
これまでも私のやることなすこと全てにおいて意見を出すことはほぼなく、自由にやらせてくれていた。
私
「驚いた、裕二がそんなこと言うなんて(笑)」
私
「まぁ最近は共働きが当たり前になってきてるし、将来のことも不安だから働いた方がいいのかなって思ってはいたけど…」
夫
「そうだよなぁ…。陽子が働きたいならそれでいいんだけど、無理してまでって思ったから一応話しておこうと思って。」
私
「そっか、わかった。一度考えてみるね。」
これまで十何年と働いてきた場所をこういう形で退職するなんて思ってもみなかった。
でも夫が言うように、確かにもう若くないし仕事と家事育児を両立しようなんて体力的に難しいかも…。
数日間色々と悩みに悩んだ結果、私は退職を選んだ。
私
「裕二、私退職するよ。」
夫
「決めたの?」
私
「うん、あれからずっと考えてたけど…」
夫に自分の考えを全て伝えると、特に意見を追加することなく丸くおさまった。
会社には上司に先に伝え、人事部へは自ら会社へ行き退職願を提出した。