金谷さんからの突然の電話で、夫が金谷さんの婚約者に手を出したことが明らかになった。
何も知らないで終われるわけがない、そう思い私は金谷さんに詳しく話を聞くことにした。
金谷
「実は俺の婚約者は…サキは、ご主人と同じ会社に勤めています。関係を持ったのは去年の夏くらいから。ご主人の方から言い寄ってきて…」
話はこうだった。
金谷さんの婚約者・サキさんは去年から夫に目をつけられていた。
ある時仕事で大きなミスをしてしまったサキさん。
そのミスを一番最初に発見しカバーしたのが夫だった。
夫はその見返りでサキさんに関係を迫ったという。
私
「そんな…」
金谷
「サキはもちろん断り続けていました。ご主人が妻子持ちだということは知っていましたし、そうじゃなくてもこういうのは良くないと思っていたようです。でもご主人は諦めず、最終的にはあのミスを公にするぞ、と脅してきたと言います…。」
サキさんの弱みを握っていた夫はそれを利用してサキさんに関係を迫り続けた。
ミスを公にされるとクビになるのでは、と恐れたサキさんは、怖くなり身体を許してしまったという。
金谷
「だけどご主人はそれだけで終わらなかった…」
私
「え…、まだ何かあるんですか…?」
金谷
「それからご主人の行動はどんどんエスカレートして…」
なんと夫は、サキさんに黙って避○をせずに行為に及んだというのだ。
嫌がるサキさんを引っ叩き、半ば強引に行○をした…。
これまで黙っていたサキさんは耐えられなくなり、金谷さんに全てを話したという。
金谷
「・・それで今日ご主人に電話をしたら奥さんが出られた、という感じです。」
私
「金谷さんはそれを夫に話したかったんですね…?」
金谷
「はい、こんなこと許されるはずないですから。いくら仕事をミスしたサキが悪いと言っても、だからって脅してまで関係を迫るのが正しいんでしょうか?」
私
「本当に…申し訳ありませんでした…。」
私は夫の代わりにただ謝ることしかできなかった。
まさか夫がそんな酷いことをする人だったなんて…。
最初こそ疑っていたが、金谷さんの様子を見ていて嘘をついているようには到底思えなかった…。
私
「サキさんにも私からお詫びします。本当に申し訳ありません…」
金谷
「…奥さんが謝らないでください。悪いのはご主人ですし、奥さんだって被害者ですよ…。」
そうだ、私も被害者なんだ…。
金谷さんからそう言われた瞬間から、夫に裏切られたショックが一気に襲ってきた…。