◎前回の話はこちら
香織の家からの帰り道、
どうするか考えていた。
まずは見つけたことを全て夫に話す。
そしてどうしてこんなことをしていたのか
理由を聞く。
盗聴器まで仕掛けて何がしたかったのか、
本当に夫があの時のストーカーなのか、
きっかけがなんだったのか…
考えれば考えるほど聞きたいこと、
確かめたいことが山ほど出てくる…。
気づけばもう家に着いていた。
私
「あ…聡帰ってきてる…」
私は意を決して自宅へ入った。
夫
「あれ真奈!?
どこ行ってたんだよ〜心配したじゃん」
私
「あはは…ごめん、
ちょっと用があって」
夫
「用?用ってどんな?誰かに会ってたの?
僕に連絡しないで行くとかなんで??」
いつも以上に質問攻めな夫。
あれだけの物を見つけた後のこれは
さすがに異常だ…。
私
(今までの私はこれを愛情だと思ってたのかな…。
あれ…なんか全然嬉しくない)
これまでの私は夫にこう言われたことで、
心配してくれている、気にしてくれていると
嬉しく感じていた。
だけど今は…
なんだか気持ち悪く感じてしまった。
私
「…聡、ちょっと大事な話があるから
そこ座ってくれる?」
夫
「話?うん、いいよ」
夫はニコニコして椅子に座った。
私は寝室に戻り見つけた物を全て
夫の目の前に置いた。
私
「…これ、どういうことか説明してくれる?特にこの封筒と写真…。
これってあの時の物だよね?私は捨てたはずなのに…
どうしてそれを聡が持ってるの!?」
夫
「……」
私
「それに私の携帯とかLINEも、勝手に同期してたよね?
だから急遽香織と会うことだって分かった…。
それだけじゃない、この家に盗聴器も仕掛けてるよね!?
全部説明してよ!!」
聞きたいことを全部ぶちまけた。
でも夫は表情ひとつ変えず、
テーブルの上に置かれた証拠品たちをじっと見つめている。
私
「ねぇ聞いてるの!?
黙ってたってわからない…」
夫
「あーあ、バレちゃった〜」