夫はストーカー

【No.15】結婚した夫は私のストーカーでした…

夫はストーカー

◎前回の話はこちら

【No.14】結婚した夫は私のストーカーでした…
◎前回の話はこちら 香織の家からの帰り道、 どうするか考えていた。 まずは見つけたことを全て夫に話す。 そしてどうしてこんなことをしていたのか 理由を聞く。 盗聴器まで仕掛けて何がしたかっ...


「真奈鈍感だから一生気づかないと思ってたのに…、
 残念だな」


「…どうして?
 聡のことずっと信じてたのに…」


「信じてた?(笑)何言ってんだよ、
 信じてたのは俺じゃなくて結婚した『僕』だろ?」


「え…?何言ってるの…」





「真奈が見てきたのは本当の俺じゃない。
 俺から救った『僕』だ。真奈は俺を嫌ってた。
 だから俺から助けてあげる『僕』なら、
 真奈も気に入ると思ったんだよ」


「…じゃああの時のストーカーって…」


「うん、俺だよ!」

夫は何も悪びれる様子もなく、
なぜか誇らしげに笑って見せた。


「どうして…どうして!?」


「どうしてって…
 真奈を愛してるからに決まってるだろ!?」





「どうして私なのよ…!」


「あぁ、俺がなんでストーカーしたのか気になってるわけ?
 ひどいなぁ。真奈なら知ってるくせに」


「知ってるって何を!?」


「真奈はあの日、
 絶望の淵にいた俺に声をかけてくれただろ!?」


「は…?声をかけた?私が??」

いや全く思い出せないし記憶にない…。





「あの時俺は外の世界が怖くて怖くて仕方なくて、
 道端でうずくまっていた。
 そんな時に真奈は優しく『大丈夫ですか?』って
 声をかけてくれたじゃないか!
 気味悪がって誰も声をかけてくれなかったのに君だけが!!
 
 
 その時に思ったんだよ、
 あぁこの人はこんな俺を大事にしてくれる人なんだって…!
 それがきっかけで僕は真奈のことが頭から離れなった…!
 そしていつか絶対真奈を自分のものにするって決めた!!」

そして夫は次の日から私を見つける日々を送り、
見つかったあとは最寄り駅を特定、
そしていつ何時にどの電車に乗ってどこで降りるのか、
仕事場の特定やどの地域に住んでいるのかなど、
あらゆる情報を掴み出したらしい。

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