夫はストーカー

【No.23】結婚した夫は私のストーカーでした…

夫はストーカー

◎前回の話はこちら

【No.22】結婚した夫は私のストーカーでした…
◎前回の話はこちら 夫 『何をそんなに驚いてるの?  俺はいつでも真奈のそばにいるんだから、  当たり前のことなんだよ?というか真奈、  今までどこに行ってたの?  なんか変な事務所から出てきたよね?一体何してた...


(え…意外とあっけなかった…)


「…そうだよね、俺どうかしてたんだな。
 こんな愛情って間違ってるよね…」


「何、どうしたの、急に…」


「わかった、ごめん、
 もう諦めるから」

そう言って夫は私からペンと印鑑を取り、
その場でサインと判を押した。





「…これでいいの?」


「う、うん」


「慰謝料も提示された分支払うよ」


「うん、よろしく…」


「母さんには俺から説明しておくから大丈夫、
 支払いが完了したらまた連絡するね。
 今までありがとう、それじゃ…」


「うん…」

そう言って夫は店を出てしまった。




拍子抜けしたが、
不備もなくしっかりと記入されている離婚届を見て、
諦めてくれたんだと思った。

そしてそのまま役所へ行き離婚届を提出。

無事受理され、離婚は成立した。

その2日後には提示した金額の慰謝料が入金されており、
思っていた以上にスムーズに離婚ができ安堵した。

香織
「まじでよかったね!!
 真奈の気持ちやっと理解できたんじゃない?」


「一時はどうなるかと思ったけど、
 離婚できて本当よかった…でも」

香織
「でも?」





「なんか胸騒ぎがするんだよね。
 なんかこれで終わったって気がしなくて…。
 うまく言い表せないけど、呆気なさすぎて怖いんだよね…」

香織
「うーん…まぁ言われてみれば直前まで変だったのに、
 急にまともになったっていうのはおかしいと思うけど…」


「……」

香織
「でもさ、とりあえずは安心していいんじゃない!?
 無事に離婚できたんだし!」


「うん…まぁそうだよね!
 ここから心機一転頑張っていこうかな…!」

しかしそれから数週間後…

あの胸騒ぎが的中することになるとは、
この時の私は知る由もなかった。

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