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【No.22】結婚した夫は私のストーカーでした…
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夫
『何をそんなに驚いてるの?
俺はいつでも真奈のそばにいるんだから、
当たり前のことなんだよ?というか真奈、
今までどこに行ってたの?
なんか変な事務所から出てきたよね?一体何してた...
私
(え…意外とあっけなかった…)
夫
「…そうだよね、俺どうかしてたんだな。
こんな愛情って間違ってるよね…」
私
「何、どうしたの、急に…」
夫
「わかった、ごめん、
もう諦めるから」
そう言って夫は私からペンと印鑑を取り、
その場でサインと判を押した。
夫
「…これでいいの?」
私
「う、うん」
夫
「慰謝料も提示された分支払うよ」
私
「うん、よろしく…」
夫
「母さんには俺から説明しておくから大丈夫、
支払いが完了したらまた連絡するね。
今までありがとう、それじゃ…」
私
「うん…」
そう言って夫は店を出てしまった。
拍子抜けしたが、
不備もなくしっかりと記入されている離婚届を見て、
諦めてくれたんだと思った。
そしてそのまま役所へ行き離婚届を提出。
無事受理され、離婚は成立した。
その2日後には提示した金額の慰謝料が入金されており、
思っていた以上にスムーズに離婚ができ安堵した。
香織
「まじでよかったね!!
真奈の気持ちやっと理解できたんじゃない?」
私
「一時はどうなるかと思ったけど、
離婚できて本当よかった…でも」
香織
「でも?」
私
「なんか胸騒ぎがするんだよね。
なんかこれで終わったって気がしなくて…。
うまく言い表せないけど、呆気なさすぎて怖いんだよね…」
香織
「うーん…まぁ言われてみれば直前まで変だったのに、
急にまともになったっていうのはおかしいと思うけど…」
私
「……」
香織
「でもさ、とりあえずは安心していいんじゃない!?
無事に離婚できたんだし!」
私
「うん…まぁそうだよね!
ここから心機一転頑張っていこうかな…!」
しかしそれから数週間後…
あの胸騒ぎが的中することになるとは、
この時の私は知る由もなかった。