夫はストーカー

【No.5】結婚した夫は私のストーカーでした…

夫はストーカー

◎前回の話はこちら

【No.4】結婚した夫は私のストーカーでした…
◎前回の話はこちら 結局交番に行ったものの、 パトロール強化しか頼むことができなかった。 香織 「ったくあのおじさん使えないんだから」 私 「でも確かに、  封筒が入ってただけで私に害はないから...

家の中に入った瞬間、着信が入った。

表示は『非通知』

なぜこのタイミングなのか…。

激しい動悸を感じながら電話を無視した。

しかし・・


「…ちょっと、
 どうして何回もかけてくるの…!」




何度無視をしても、
電話が切れればすぐにまたかけてくる…。

電話に出るまでかけ続けるつもりなのか。


「非通知だしここまでしつこいって、
 あのストーカーってことだよね…。
 無視したって効果ないの…?」

出るべきかどうか迷っている間の着信音に
急かされた気持ちになり、結局その電話に出てしまった。

ストーカー
「あ、真奈ちゃん?
 やっと出てくれたね。
 今帰ってきたんだよね、おかえり」





「あ…あなた一体何なんですか…!?
 どうして私の電話番号知ってるの!?」

ストーカー
「それは真奈ちゃんが大好きだからだよ。
 僕はいつでも君のことを想っているし、
 君のことは何でも知ってるんだから」


「……」

怖くなってもう何も言えなくなってしまった。

それから何を言われたかはもう覚えていない…。

その日を境にストーカーから手紙だけでなく、
起床時や出勤、帰宅時など、
私の行動を見透かしているように、
絶妙なタイミングで電話が来るようになった。

そんな日が1週間ほど続いたある日、
通勤電車で痴漢に遭ってしまった…。




怖くて声もだせず、
耐え凌ぐしかないと思っていた時、
耳元であのストーカーの声がした。

「やっぱり真奈ちゃんはいい体してるね〜」

怖くて目を瞑り、
次の駅で途中下車することにした。

??
「大丈夫ですか…!?」


「え…」

降りた直後に声をかけられ、
振り向くとそこにはスーツ姿の男性が
心配そうに声をかけてくれた。

それが今の夫・聡だった。

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