母が自分のために貯めてくれたお金で進学することができた。
私
(お母さんがあの時大学に行かせてくれたこと、今でもすごく覚えてる。嬉しかったなぁ…。)
しかしこれまでの生活を思い出すと、辛いことの方が多かった…。
私
(あの時の寂しい思いをカイトにもさせるなんて…。そんなこと絶対にできない…。)
この時の私はひとり親になること=子供に悪影響
そう思っていた。
そして何より、2人を養う力が私にはないこと…。
それが一番大きく、離婚は現実的ではないと思い、諦めるしかなかった…。
私
(どんなに辛くても、子供にまで私と同じような思いをさせるのは気が引けるわ…。)
そんな時、携帯が鳴った。
私
「ん?…え、…もしもしのぞみ!?」
のぞみ
『もしもーし!久しぶり(笑)』
電話の相手は高校時代からの親友・のぞみだった。
のぞみとは高校卒業後定期的に会っていたが、お互いに家庭を持ってからはなかなか会えずにいた。
私
「いきなりどうしたの!?」
のぞみ
「うーん、いや特に理由はないんだけど…(笑)」
のぞみ
「なんとなく、桃子どうしてるかな〜って思って!久しぶりに会おうよ!」
私
「うん、会いたい!」
久しぶりに聞いたのぞみの声に、私も無性に会いたくなってしまった。
すぐに予定を組み、数日後に近くのカフェで会うことに。
のぞみに会う当日。
息子を幼稚園へ送った後、待ち合わせのカフェに行った。
私
「あ、お待たせ〜!待った?」
のぞみ
「ううん、私もさっき来たとこ!何頼む〜?」
飲み物を頼み、最初は懐かしい話で盛り上がった。
のぞみ
「・・ねぇ桃子、何かあった?」
私
「え?」
のぞみ
「さっきから何か言いたげな顔してるよ。」
私
「そ、そうかな…(笑)」
のぞみ
「もう…。私たち何年の付き合いだと思ってんのよ(笑)顔見ればわかるわよ。何か力になれることがあるかもしれないし、吐き出してみたら?」
相変わらず人のことをよく見てるのぞみ。
そんなのぞみの優しさに負け、私は夫のことを相談した。