夫の鞄に忍ばせておいたボイスレコーダーを回収し、再生ボタンを押して中身を確認した。
そこには最初、私に関係がバレたんじゃないかという会話が吹き込まれていた。
ハナ
『奥さん、私のこと知ったんだよね?』
夫
『あぁ…まぁ…うん。』
ハナ
『それってどうなるの?慰謝料とか請求されるのかな?』
夫
『そ、そんなことは絶対にさせないよ!!ハナちゃんは悪くないんだから、ね!?』
ハナ
『うーん…でも私、なんだか怖いなぁ…』
夫
『大丈夫!うちの嫁さん気弱いから、もしそうなったら俺が怒るよ!!』
ハナ
『えぇ〜、本当に〜?』
夫
『もちろん!だって嫁さん、俺がいないと何もできないし、働いてもないから金もないし!』
夫
『俺と離れれば今の生活だってできないんだから、俺がその気になれば大事にはならないって!何よりハナちゃんを危ない目には合わせない!俺が守ってあげるから、ね!?』
ハナ
『もーう大ちゃんったらイケナイ子だね〜(笑)でもそんな大ちゃんが好きだなぁ〜♡』
そして2人は行為に及んでいた。
私
「何これ…、私が何もできないですって…!?その気になれば大事にはならない…?ふざけんな…!!絶対に痛い目見させてやる…」
この日私は一睡もできなかった…。
寝不足のまま息子を幼稚園へ送り、羽山さんの元へ向かった。
羽山
「あ、倉持様!こんにちは!…あれ、どうされました?」
私
「すみません急に来てしまって…」
羽山
「いえいえ、こちらへどうぞ!」
羽山さんに個室へ通され、昨日見たことを話した。
私
「それでこれ…。ホテルへ出入りするときの映像と、ボイスレコーダーです。確認していただきたくて…」
羽山
「証拠が取れたんですね!ありがとうございます。確認します。」
私に配慮してか、イヤホンをつけて中身を確認してくれた羽山さん。
全てを確認してから羽山さんは言った。
羽山
「奥様、よく録れてます!これなら言い逃れはできません。あとは私に任せてくださいね!」
私
「よろしくお願いします。」