年収3000万夫

【No.2】年収3000万エリート夫、実はパ○活大好き人間だった

年収3000万夫

求人を見ている中で『派遣』の文字が目に入り、気になった私は派遣について調べてみることにした。

正社員より働きやすい

そんな言葉が数多く出ており、思い切って派遣に登録して働くことにしてみた。

ただ契約期間というものがあるため、一箇所で何年も長く働くことはあまりないらしい。


(まぁしょうがないか…)

一箇所で長く働いてこそ良いことだと思っていたが、これまでの自分を考えるとその自信もなかった。

働かないまま家にいるよりマシ、そう思いいろんな会社を転々とすることにした。

派遣として働いて5年が経った頃。

契約が満了し外資系大企業に行くことが決まった。

この時私は31歳。

この歳で独身で派遣というのも周りから『訳アリ』とみられてしまうことも増えてきたが、

以前の私とは違い今は仕事だけに集中して楽しめるようになっていた。

そして新しい会社に配属され、直属上司と行動を共にすることになった。

その上司というのが、夫・大輔だった。


「初めまして、倉持大輔です。田中さん(私の旧姓)のトレーナーを任されました。よろしくお願いします!」


「田中桃子です、よろしくお願いいたします!」

これが夫との出会いだった。

夫は仕事での視野が広く社員たちからの人望も厚く、派遣である私にも手取り足取り進んで教えてくれていた。


(こんなに良くしてくれるのって私の直の上司だからだよね…?)

歳もひとつしか変わらないから話しやすいんだろう、そう思っていた。

でも日に日に距離が近くなっていき、次第に夫からアプローチを受けるようになっていた。

そして・・


「あの…俺、田中さんのことすっごくタイプで…!もう気づいてたかもしれないけど…(笑)俺と結婚前提に付き合ってくれませんか!?…っていきなり言っても困るよね…。返事はいつでも良いから、考えといて!」


「わ、わかりました…。」

家に帰りひとりで考えていると、仕事中の風景が頭に浮かんだ。


「倉持さんは仕事もできるし周りからもすごい慕われてて良い人なのは間違いない…。派遣のこんな私にも優しくしてくれて…」


「それに私ももう31だもんな…。倉持さんとなら、幸せになれるかもしれない…。よし!」

私は翌日、夫に交際を受け入れると伝えた。


「え…、本当!?!?やばい、めちゃくちゃ嬉しい!!」

私をキツく◯きしめて喜んだ。

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