厨房の服部さんと厨房責任者の方と話をしていて犯人は服部さんじゃない方向になった。
私
「なら一体誰が…」
この犯人探しに早くもくじかけそうになり疲労でふらついたその時、後ろから誰かが支えてくれた。
振り返るとそこには担当のプランナー・森口さんがいた。
森口
「新婦様、大丈夫ですか…?ちょっとお部屋移動しましょうか。」
森口さんに連れられ控室に一旦戻ることになった。
森口
「どうぞこちらにお座りください。今お飲物お持ちしますね。」
そう言って森口さんが出してくれたのは紅茶だった。
私
「ありがとうございます…」
森口
「先ほどからお飲み物を口にされてないですよね?水分はお取りにならないと…」
確かに、式の緊張から何も口に出来ず今に至る。
気を利かせてくれたことに嬉しく思い、ありがたくいただくことにした。
私
「あ…これアップルティーですか?」
森口
「そうです!とても香りがいいので、こちらであれば少しでもお飲みになれるかと思いまして…。いかがでしょう?」
私
「ありがとうございます、いただきます!・・うん、美味しい!」
森口
「ふふ、良かったです♪」
こんな時でも気を配れるプランナーって素敵だな、そう思った。
頂いた紅茶を飲み干す頃、ふとあることに気づいた。
私
(あれ…。雄馬ってどこ行っちゃったんだろう…?さっきまでそこにいたはずなのに。)
さっきまで新郎の席にいたはずの夫の姿がどこにもない。
参列者の方も見渡してみるがそこにも姿がなかった。
私
「それに森口さんもいないな…」
今は会場内も雑談状態になってしまい、犯人探しという空気ではなかった。
私
(…こんなことしても翔太の状態が一番だよね。着替えて翔太のところに行こう。)
何バカなことしてんだろう、無駄な時間を過ごした、そんなこと思いながら急いで控室へ戻った。
私
「ん?ドア開いてる…。なんか声もする…?」
控室のドアが数センチ開いており、さらに女性の声が漏れて聞こえてきた。
??
「本当にひどい新郎様ねっ…」
夫
「うるさいな、黙ってろよ…」
私
「え…嘘…」