夫
「…俺は知ってたよ。」
私
「な、なんて…?」
夫
「だから、俺は2人が考えてたこと、知ってた。」
私はショックで一瞬フラついた。
私
「どうして…?」
夫
「別に…口挟むことないなって思って。」
私
「は…?だって…私たち夫婦でしょ?それに翔太のことだってあんなに可愛がってくれて、自分の息子同然だって言ってくれたじゃない…!」
義母
「あんたバカねぇ(笑)そんなの嘘に決まってんでしょ(笑)」
私
「う、嘘…?」
義母
「そうよ!誰がコブ付きの女を本気で愛すのよ(笑)ましてやガキなんてお荷物そのものでしょ(笑)自分と血繋がってないんだからどうでもいいに決まってるわ(笑)」
森口
「でも雄馬はとっても優しいから、私がいくらあんたと別れてって言っても別れなかったのよ。」
森口
「別れる別れるって口だけで、全く動こうとしないから私がこの関係をあんたにバラすって言ったの」
ところがそれを聞いた夫は取り乱し、どうにか私にはバラさないでくれとすがったという。
夫
「あぁ…それは、どっちも捨てがたいというか…。」
夫
「俺は麗奈のことが好きだけど、でもコイツも幼馴染でずっと一緒だったし、そう簡単には離れられないというか…」
森口
「バラさない代わりに何でもするって言うから、だから子供の料理に卵の成分が入った液体を仕込むことを伝えたの。そしたら喜んでOK出したよね!(笑)」
夫
「ま、まぁ…。正直ガキは面倒だし、何より血なんか繋がってないし、いっそいなくなればいいのにって思ってたからな。」
気が狂いそうだった…。
目の前にいるのは夫と同じ見た目をした別人じゃないかって思うくらい、私の知っている夫の姿ではなかった。
私
「そんな…どうしてそんなこと言うの…」
夫
「どうしてって…。俺はお前が好きであって、子供を好きになるのはまた違うだろ?」
私
「じゃあ『翔太は俺が守るから』って言ってたのも、あれも嘘だったの!?」
夫
「え…そんなこと言ったっけ?(笑)」
私
「信じられない…」
これまで私に言ってくれていた言葉も、息子に対する行動も、全て私といるために嘘をついて繋ぎ止めていたのだ…。