これまで一緒に過ごしてきた夫との時間はほぼ嘘で固められていたと知った私。
私
(翔太のことを一番に考えていたはずなのに、結局私は目の前の雄馬…自分のことしか考えていなかったんだ…。こんなひどい嘘を見抜けないで…、私何やってんだ…)
これまで幸せだと思っていた思い出を黒く塗りつぶされたようだった。
ショックな気持ちの他に、夫たちへの怒りももちろんあった。
それをぶつけたくても、そんな気力どこにもなかった…。
その時。
加藤
「おい、お前らさ、いい加減にしろよ。」
私
「え…」
参列者のいる会場を見るとそこには夫の上司・加藤さんがいた。
夫
「あ、加藤さん…」
加藤
「何なの?お前らさっきから。聞いててマジで腹立つんだけど。」
夫
「いやぁ…そう言われましても…」
加藤(妻)
「…大丈夫ですか?ここに座って…」
夫の上司の加藤さん夫婦は私たちの話をずっと聞いていたうちの2人で、これ以上聞けないと助けに入ってくれた。
奥様は私よりも年上で全てを理解している、そんな目で私を支えてくれた。
私
「ありがとうございます…」
加藤(妻)
「大丈夫よ、大丈夫。」
そう言って肩をずっとさすってくれていた。
加藤
「まず何なの?そんな半裸状態でここにいるくせに、不倫してたことを悪びれる様子もない。お前ら正気か??奥さんに悪いって思わないのか!?」
森口
「何なのあんた。これまでの話聞いてて逆にわからないわけ?元はといえばこの女が雄馬に近づかなければこんなことにはならなかったのよ!だから全部この女が悪い!」
加藤
「本気でそう思ってるのか!?だとしたらお前らマジで異常だ!!」
義母
「ちょっと!?黙って聞いてれば何なのあんたは!失礼すぎるわよ!」
加藤
「失礼?あんたの方がよっぽど失礼だろ!!最初からずっと気になってた。
人様の子供になんて扱いしてんだ!それでもひとりの母親か!?」
義母
「あんたから説教される筋合いないわよ!!」
加藤
「俺だけじゃないぞ。ここにいるみんな、同じこと思ってる!お前らはここで奥さんに悪態つくことで、傍観者である俺たちが味方するとでも思ったのか!?」
義母
「…っ」
加藤
「図星か…。そんなんで奥さんにダメージ与えられるわけないだろ」