「帰れ」と怒鳴った私に対し、旦那はさらに火に油を注いできた。
旦那
「なぁ、頼むよ。こっちはもう生まれてるしさ、お前の体型も元通りだし、今ならセックスだってちゃんとできるだろう?赤ん坊もひとりなら、俺のことだってちゃんと……」
私
「帰らないなら、警察呼びますよ」
旦那
「はぁ?なんだよ、警察って。どうしてそんなに頑なに……」
私
「気持ち悪いのよ!さっさと帰って!あんたみたいな人間といっときでも家族だったなんて、今考えても虫唾が走るわ!!」
旦那
「そんな言い方ないだろう!なんだよ、急に……」
私
「自分の言っていることの異常さが分からないなんて、サイコパスとしか思えないわ。頭おかしいんじゃないの」
旦那
「なぁ、悪かったって。浮◯したことなら謝るから。もうしないからさぁ……」
私
「浮◯したこと以上に、人として欠落している部分が生理的に無理だって言ってるの。あなたが生理的に妊婦の体型を受け付けないのと同じようにね」
旦那
「なんだ、そのことを怒っていたのか。大丈夫だよ。今はもうお前は妊◯体型じゃないから、ちゃんと愛せるよ」
私
「だから!そういうところが無理だって言ってるのよ!いい加減にしてよ、こっちの頭がおかしくなる!!」
私は思わず、手近にあったカップを壁に叩きつけた。
ガチャンと大きな音がして、粉々になった欠片が床の上に散らばった。
私
「帰って。本当に警察呼ぶわよ」
私の迫力に気圧され、旦那はようやくすごすごと帰っていった。
私
「お気に入りのカップだったのに……」
家族旅行で訪れた京都で買った、陶器のカップ。家族3人の思い出の品。
カップと一緒に、大切な何かが決定的に壊れた音がした。