娘と散歩で出掛けた時、急な雨に襲われた私たち。
雨が降り始めて10分ほどが経った頃家についた。
私
(そういえば洗濯物も干しっぱなしだった…!急いで取り込まないと…。)
濡れてしまった娘を先に着替えさせてから洗濯物を干している場所へ向かった。
この時私は心のどこかで、
「もしかしたらお義母さんが取り込んでおいてくれてるかも…」
なんて淡い期待を持っていたのかもしれない。
洗濯物を干している場所へ目をやると、そこにはびちょびちょに濡れた私の洋服がかかったままだった。
私
「そんな…」
私は勝手に裏切られた気分になり、雨に打たれながら自分の洗濯物を取り込んだ…。
それからも義母の嫌がらせが続く中で、心のどこかでは義母の良心を信じていた私。
でもそんな良心なんて義母にはなく、とことん私に対して嫌がらせをしていた。
私
(もうきっと何言ってもダメなんだ…。あぁ、実家に帰りたい…。)
心の中で何度も実家に帰りたいと思った。
でも父に無駄な心配をかけたくない気持ちが勝ってしまい帰れなかった。
実は、私の母は元々体が弱くて、よく入退院を繰り返しており、私が中学生になる前に亡くなってしまったのだ。
それから父は私と姉を男手ひとつで育ててくれた。
きっと私たち2人を育てるのに随分と苦労したと思う。
そんな父は定年退職して今は家で1人暮らしだ。
私
(やっとゆっくりのんびりした生活ができてるんだから、こんなことで迷惑はかけられない…。)
自分なりにひたすら義母の嫌がらせをスルーする生活を送っていたある日。
娘と昼寝をしていたとき、ふと目が覚めた。
その時、義母と夫らしき話し声が聞こえてきた。
私
「え…、隣から?」
隣の部屋は夫と私の寝室。
これまで義母が寝室に入ったのはあの日以来初めてだと思う。
気になった私は物音を立てないようにこっそりと寝室の前へ行った。
私
(ドアが開いてる…。少しだけ…)
私は開いていたドアの隙間から部屋の中を覗いた。
そこには義母に膝枕で耳掃除をしてもらっている夫の姿があった…。