◎前回の話はこちら
説明をしても、一ミリたりとも引き下がろうとはしなかった佐伯さん。
夫
「…でしたら、当時うちを工事した時の責任者の方をお呼びして説明してもらいます。
当時の報告書など残っているみたいなので」
佐伯
「えぇそうしてちょうだい!!この時間返してよねまったく…!!」
私
「はぁ…なんなのよもう…ムカつく」
夫
「まぁまぁ…。明日責任者の方が来てくれることになったし、その方に任せよう。
事実じゃないことに対して弁償なんてする必要ないんだから、ね?」
私
「そうだね…。じゃあ明日責任者の方ともう一回佐伯さんのところ行ってくるね。」
翌日。
責任者の方がお見えになられた。
責任者
「おはようございます。昨日連絡いただいいた赤坂と申します。」
私
「お待ちしておりました!どうぞ。」
まずは自宅に上がってもらい、もう一度状況を説明した。
私
「・・って昨日も言われて…。さすがにもう私たちだけじゃ対処しきれなくてお呼びしました。」
赤坂
「そうだったんですね…、大変でしたね。
一応こちらが当時の工事の報告書になりまして・・」
その報告書には当時付けていたカバーの写真がいくつもあった。
私
「ここまで残しておくんですね…」
赤坂
「はい…、まぁこういったトラブルはあるところにはありますので…。
他はわかりませんが、うちの会社ではこうしています。」
私
「これならお隣さんも納得してくれるかも…」
赤坂
「はい、大丈夫かと思います。
後のことはこちらで引き受けますので、ご安心くださいね。」
私
「え、いいんですか…?」
赤坂
「工事の件に関しては進藤さんは購入者というだけであって
それ以外の関わりはありませんので、大丈夫ですよ。」
内心ほっとした。
赤坂さんは資料を持って佐伯さん宅へ向かった。
自宅で待機していると、10分後くらいに赤坂さんが戻ってきた。
私
「どうでしたか…?」
赤坂
「かなり手強い方でしたね、あそこまで酷いのは初めてでした…(笑)」
最初は頑なに赤坂さんの言っていることを受け入れようとしなかった佐伯さんだったが、
報告書を見たことで何も言えなくなったそうだ。
赤坂
「なんとか弁償の件は無くなりましたので、ご安心ください。」
私
「今日はありがとうございました。」