◎前回の話はこちら
翌朝、これからどう動くのが最善なのか、
あれこれ考えているとチャイムが鳴った。
玄関を開けるとそこにはケンくんが立っていた。
私
「ケンくん!?おはよう。どうしたの?」
昨日、ケンくんママの現状を聞いた私は、
週末朝8時にケンくんが訪ねてきたことに苛立っていた自分を思い出し、
情けない気持ちになった。
そんな感傷に慕っていた私だが、
この状況が一変する言葉がケンくんから発せられた。
ケンくん
「おーはーよ!ママが昨日のことは忘れてください。って。
もう大丈夫ですって!伝えてって。今日から遊びに行っても大丈夫だからって
言われたからお邪魔しまーす!」
私
「えっ!ケンくんちょっと待って!
それお母さんが言ってたの?」
ケンくん
「うん!もう大丈夫です。って!」
ケンくんは何も知らないと言った様子で元気に応えた。
どうなってるんだろ…訳がわからない状況に目眩がした。
すぐにケンくんママに確認を取らないと。
私
「ケンくんごめんね。今日はお家で遊べないの。」
ケンくん
「えー!遊びたい!」
私
「おばさんがお家まで送っていくわ。
ケンくんのママに話したいこともあるから。
さぁ行きましょう。」
「送っていく」と言った途端、
ケンくんは急にうろたえた様子を見せた。
ケンくん
「ママはお仕事だから…!
できだけ遅くに帰ってくるように!って言われてるから。
でも…俺もう大丈夫!今日は公園で遊びます!」
ケンくんはそう言って全速力で走っていってしまった。
昨日の今日で一体どうなっているんだろう。
昨日のケンくんママの涙は嘘じゃない…きっと何かあったはずと、
ケンくんママに聞いた連絡先にすぐに電話をかけた。
何度鳴らしても、鳴らしても、聞こえてくるのは
「留守番サービスにお繋ぎします…」
という無機質なアナウンスで、
ケンくんママが電話に出ることはなかった。
結局、連絡が取れない状況が夕方まで続き、
仕方なく近くの駅前スーパーに買い物に出かけた。
そこで衝撃の光景を目にした。
パチ◯コ店の前で若い男性にお金を渡す女性。
ケンくんママだ。
私はすぐに駆けつけて、ケンくんママに声をかけると、
とんでもないことを言われた。