パートに出勤しようとした時、家の固定電話が鳴った。
私
「はい、もしもし?」
??
『もしもし?私!明子!』
私
「あぁ、明子さん。おはようございます。」
電話の相手は夫の姉・明子さんだった。
義姉とは親族の集まり以外ではほとんど会わない。
気が強く、人の話もまともに聞かない印象。
私はあまり得意ではない人物だった。
義姉
『佳乃ちゃん、急で悪いんだけど実家に来てくれない!?』
私
「え…?本当に急ですね…、これから仕事なんですけど…」
義姉
『お母さんが倒れたの!早く来てちょうだいね!』
一方的に電話を切られてしまった。
私
「お義母さんが倒れた…?」
慌てて夫に連絡を入れ、すぐに義実家へ行くように促した。
私もパート先に電話を入れることにした。
私
「おはようございます、青山です。カナさん、申し訳ないのですが・・」
カナ
『・・なるほど、それは心配だね。今日は休んでもらって大丈夫だから、また何かあったら連絡ちょうだい!気をつけてね!』
カナさんは以前からの知り合いで個人でデザインを仕事にしており、そのアシスタントとして10年ほど前から雇ってもらっていた。
私
「申し訳ないです…。また連絡します。」
電話を切りすぐに義実家へ向かうことにした。
義実家へ着くと夫もちょうど同じタイミングで到着していた。
私
「お待たせしました。お義母さん大丈夫ですか?」
居間には義姉夫婦がいた。
義姉
「あんたたち遅いわよ!!…お母さん立てなくなったの。」
実は義母は元々ヘルニア持ちで腰の調子が悪かった。
そして70代後半である今、足腰の限界が来たのか、突然立ち上がることができず倒れてしまったという。
義姉
「お母さんは向こうの寝室に横になってるから。」
夫
「わかった。」
義姉に伝えられた寝室へ夫と2人でで向かった。