娘から笑えていないと指摘を受けた私。
私
「何言ってるのよ、ちゃんと笑ってるわよ?」
娘
「いやいや…、さっきから無表情というか…ね?」
息子
「…何かあったんなら言いなよ。」
息子が珍しく私の目をまっすぐに見て言った。
冷たそうな目だが優しく包まれるようなその眼差しに私は負けてしまった。
私
「あなたたちに言うつもりはなかったんだけど…。実は今おじいちゃんとおばあちゃんの介護をしてるの。」
娘
「え、ママ1人で…?」
私
「そうよ。」
娘
「てかおじいちゃんたちって介護必要だったの!?」
私
「ううん、おじいちゃんは階段から足滑らせて靭帯を痛めてて、おばあちゃんはヘルニアが悪化してもう歩けないのよ。」
娘
「そうなの!?もう、どうして私たちに言ってくれなかったのー!!」
息子
「だからそんなやつれてんの?」
私
「そんなにひどい…?」
娘
「鏡見てないの!?…ほらこれ」
言われてみれば鏡を見てないような…。
娘に手鏡を借りて久しぶりに自分の顔を見た。
私
「え…何これ…」
そこに映っていたのは、目の下のクマががっつり入り、頬はこけて明らかに疲弊しきっている顔をした私だった。
あまりのショックで言葉が出なかった…。
娘
「ママ…、こんなになるまでどうして私たちに相談してくれなかったの…?」
息子
「…どうせ母さんのことだ、俺たちに余計な心配とかかけたくなかったんだろ?」
私
「…うん、そうね。それが一番思っていたことかも。」