◎前回の話はこちら
娘と出かけ、帰宅すると知らない車がガレージに停まっていた。
その持ち主はママ友・明那さんのものだった。
正直困ったが、あまり関係を悪くしたくないと思い私は『大丈夫』と言ってしまった…。
明那
「ありがと〜!杏ちゃん優しいね〜♪それじゃ、私行くね!」
私
「あ…はい、また〜」
明那さんが帰っていくのを確認し、私は家の中に入った。
娘
「ママーどうかしたの?」
私
「あ、ううん、なんでもないよ!さ、夜ご飯の支度しないと。」
その日の夜、娘が寝てから夫にこのことを話した。
夫
「え…勝手にうちのガレージに停めてたって?あいちゃんママが?」
私
「うん…。正直迷惑だけど、でも色香とあいちゃん、最近よく一緒に遊んでるんだって。明那さんとも学校で会えば話しかけてくれるんだけど…。些細なことで関係悪くするのも嫌だなって思って、表面上だけど『大丈夫ですよ』って言っちゃったんだ…。」
夫
「そうか…。確かに子供たちが仲良いならあまり波風立てたくはないよな…。うーん、でも勝手に停めるなんて普通しないし、なんだか怖いな…」
夫は訝しげにそう言った。
私
「そうだよね…。私ももうちょっと言えれば良かったよね…、ごめん。」
夫
「いやいや、ママの気持ちもわかるから、あまり自分を責めないで。まぁ今後は注意深く見ておこう。もしかしたら今回だけかもしれないし、もし続くようならその時はまた対策を考えよう!」
私
「うん、そうだね!もし次同じことがあったら私も注意するね!」
この時の私たちは、この件についてあまり重要視していなかった。
それからまた数日が経った頃。
私
「え…また?」
ガレージにはまた、明那さんの車が停められていた。
気づいた時、ちょうど明那さんが車を取りに来た時だった。
私
「あの!明那さん!!」
明那
「あ、杏ちゃん!どうも〜」
私
「すみませんが…、勝手に停めるの遠慮していただけませんか…?」
明那
「あーごめんごめん!じゃ急いでるから〜!」
明那さんはこちらの言い分を聞くことなく、そのまま去っていった。