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【No.9】ドライブレコーダーに残された生々しい記録
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意を決して探偵事務所に頼んだ私は後日、
夫の詳細を届けるために事務所へ足を運んだ。
事務所はビルの3階にあり、
室内はとてもシンプルで綺麗な空間だった。
私
「こんにちは、本村です。坂...
私
「それで、調査結果は…?」
坂口
「…完全に真っ黒でした。」
私
「……。」
正直、「やっぱり…」といった感じだった。
坂口
「奥様は、万が一ご主人が不倫していたとした時に、
怪しいと感じる人物に心当たりはありましたか?」
私
「いえ…特にないです。」
坂口
「…ここからは冷静に聞いていただきたいのですが…。」
坂口
「ご主人の不倫相手になる方は、「佐久間愛」。」
私
「え…」
坂口
「この方は娘さんが通う幼稚園の先生ですよね…?」
私
「…そうです。」
坂口
「この二人はこの一週間の間に毎日のように
密会していました。」
そう言って坂口さんは封筒から大量の写真を並べ始めた。
私
「こ、これって…」
坂口
「はい、これ全て二人の写真です。
約40枚はあります。」
その写真には、夫と佐久間先生が親密そうに腕を組んでいたり、
路上で抱き合ったりキスをするなど、見るに堪えない光景が写っていた。
私
「そんな…。」
私はショックでそれ以上の言葉が出なかった。
やっぱり夫に裏切られていた。
夫があんなに幼稚園の行事や役員の集まりに必死になっていたのは、
私のためだと思っていたが本当は先生に会うため、自分のためだったんだと、
あの時感じていた違和感がようやくはっきりした。
そして坂口さんは続けて衝撃的なことを言った。
坂口
「それともうひとつ。
どうやらご主人、仕事に行っていないようです。」
私
「え…?仕事に行ってない…?」
坂口
「はい…。朝自宅を出た後、
約束の時間まで時間を潰すためにパチ屋を利用している日もありました。」