私は高山陽子・43歳。
夫の裕二は45歳で、私たち夫婦は結婚をしてもう10年が経つ。
元々生理不順で妊娠がしにくい体質だと言われていた私は、どうしても子供を諦めきれずにいた。
そこで今から5年前、私は夫に不妊治療について相談を持ちかけることにした。
私
「ちょっと相談があるんだけど…」”
夫
「どうした…?」
私
「やっぱり私、子供をどうしても諦めきれないの。だから不妊治療を受けたいと思ってる。」
夫
「不妊治療…?」
私は夫に不妊治療についてざっくりと説明をした。
私
「・・ということで、不妊治療で妊娠できるケースもあるの。私みたいに、妊娠しにくい体質の人でも体外受精とかで妊娠できるかもしれない…。」
夫
「そっか…。うん、いいんじゃないか?」
私
「ほんと!?でもそのためには2人で検査をしたいって思ってて…」
夫の表情が一瞬曇った気がした。
私
「別に裕二に原因があるかみたいってわけじゃなくて、子供を授かるための準備ができてるかの確認をとったほうがいいかなって思って…」
夫
「…うん、そうだよな。わかった、一緒に病院に行くよ。やれるだけのことはやってみよう!」
夫が前向きな答えを出してくれたことで、翌日私たちは病院へ向かった。
受付を済ませ待合室へ入り呼ばれるのを待った。
私
「なんか…ドキドキするね。」
夫
「俺もこういうところ初めてだから汗止まんないよ…(笑)」
しばらくして私たちの順番がきて診察室へ入ると、そこには物腰柔らかそうな男性医師がいた。
私
「よろしくお願いします。」
医師
「こちらこそお願いします。では診察を始めますね。」
丁寧な診察が始まり、これまでの経緯を説明した。
医師
「お話を聞く限りですが、お二人ともご年齢が30代後半で、特に奥様は妊娠が難しい傾向にあると思います。これから長い道のりになるかもしれませんが、一緒に頑張っていきましょうね。」
やっぱり難しいんだ…。
内心そう思いながらも、自分たちの将来の可愛い子供に出会うことを夢見て、頑張ろうと決めた。
医師
「では今日はお二人の検査をしましょう。結果は後日お知らせいたしますので、また受診してくださいね。」
この日は検査だけを行い帰宅した。
その2日後、結果を聞きに受診をした。
医師
「前回の検査結果ですが…」